【感想・ネタバレ】悪い血のレビュー

あらすじ

第175回芥川賞候補作

「私がこれまで何も選ばずにいようとしていたのは、選んだその瞬間に過去を罰せられる気がして怖かったからだ」

奔放に生きてきた私の身体に突然つきつけられた衝撃。採取された血を取り戻しに、ビジュー付きのサンダルで病院へと向かう私の中に、過去のさまざまな行いがよみがえる。

圧倒的な「罪と罰」の物語。

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Posted by ブクログ

別の作品目当てに買って、つまみ読みしていた文學界2026年6月号。芥川賞候補作の中にあった本作が、その号に掲載されていると知ってダンボールの中から引っ張り出して読んだ。

妊娠をきっかけに、夜の街を歩きながら自身の過去を振り返る主人公・茜。
夜というのはなんだか色々考えすぎてしまう。それこそ見通しのよくない夜道をふらふらと歩いていくみたいに過去を遡って考えたりして、なぜ自分はあんなことをしたのか、とか思う。うじうじと悩んでいるうちに朝が来て、太陽が空の色を黒から白、白から青へと変えていく。それにつれて頭の中に黒く立ち籠めてた悩みも薄まっていく。みたいなことはよくある。
そんなふうにして考えるのはたいていはちっぽけな悩みだけど、本作で扱われるのは、妊娠(命)と、それに伴い思い返される自身の過去の過ち。けどそんな重いテーマでさえ、他人から言わせれば、そんなに考えすぎないで良いんだよ、ということもあるんだと思うと救われる。
でもそんな救いも一瞬のもので、夜が来ればきっとまた人間は悩みの中を彷徨い歩く、というのを繰り返す。
 
僕自身も、悩んだり落ち込んだりしたとき、家でじっとしていられなくて散歩に出かけることがある。自身の過去に罪の意識を持ち、夜の街でもがく彼女のことが愛おしく思えた。

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2026年10月09日

Posted by ブクログ


自分の過去への許せなさかから来る罪悪感。
今もなお続く潜在意識的にある其れ。
その罪深さから自ら抉り出して全てを曝け出しているよう。
悪い血を採られ取り返そうと動く時間の中で、夜の街を彷徨い惑い揺蕩い、心情の揺らぎが何かや誰かを思い出す。現実ではとても短い時間なのだと思う。
誰かへの罪は誰かから受ける罪で滅ぼされるのか、それとも贖罪として十字架を背負うのか。

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2026年08月09日

Posted by ブクログ

過去の自分のよからぬ行い、罪から、何か罰せられるような気になる…話し。罪と罰と赦し?

ビジュー付きの、9cmのピンヒールで歩き回り、ストラップが食い込んで脚が痛む…だなんて、もはや十分に罰だと思うが…
ラストー

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2026年07月16日

Posted by ブクログ


若くて稼ぎが少なくて優しい男。
百戦錬磨のお姉さんにこの男の子が太刀打ち出来るのか。
そしてお姉さんがこの男の子で満足できるのか。
和やかな2人のお食事シーンになぜか緊張を覚える。

数々の武勇伝を想起しつつ、産院で採血した、きっととんでもない結果を叩き出すに違いないヤバい血を奪還すべく、素足にサンダルで足を擦りむきながら歩く。

お姉さんのお父さんが言ったように罰せられるとは思わない。

だって、うちの子供は無事だ。

自分の罪が子供に引き継がれるなんてことがあったら大ごとだ。

最後に下腹部から出たものは不正出血か流産か。
妊娠継続なら血液はどうしよう…と、まだ奪還を考えているお姉さんが可笑しい。
なるようにしかならないのだから、ヤバい血を引っ提げて堂々と妊娠し出産したらいいのにさ。

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2026年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後のアルタを中心に過去を振り返るシーン。読者からすれば壮絶な過去で、でも茜からすれば友人との会話が優先されて思い出されてしまうような日常。それで流産かと思われる感覚がして、焦りはするけどそれならそれでいいと考える。流産していなかったらサンダルは履かないようにしようと思う。命に向き合えていない心情の解像度の高さ、こんな感じなんだなって呆然と思わされる。主人公がそんなスタンスだから、今まで読んだ作品の中で最も改善されることがない、救いがない物語だと思った。

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2026年09月30日

Posted by ブクログ

第175回芥川賞候補作
慶應義塾大学在学中にAV女優となり、東大大学院を経て日経記者に、そして作家となかなか特異な経歴を持つ鈴木涼美の私小説的作品らしい。

妊婦検診で採られた血液を、「悪い血」と思い込み自ら取り返しにいく女性。
彼女の経歴は、男性である自分には経験できないことだらけなので、ぼんやりと想像するのが精一杯。
したがって、本書についても「ふーん」という感想が多くなるが、難解なテーマにしては文章が平易で読み進めやすい。
そして終章まで、やはりわからないまま読み終えた。

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2026年09月29日

Posted by ブクログ

作者の鈴木さん曰く
「今回の芥川賞を(受賞した「ゾンビ回収婦」と)同時受賞出来なかったのは、某選考委員が強硬に反対したから」だそうですが、自分が委員でも強硬では無くてもバッテンつけちゃうかも…

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2026年08月27日

Posted by ブクログ

妊娠時の採血するも過去の奔放な生活が心配でサンプル奪取するため病院へ。なんともはやハチャメタな展開だけど、様々な人間たちとのオムニバス展開!
芥川賞取れなくて残念だけど、これって鈴木涼美さんの自伝ですよね。

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2026年08月19日

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ネタバレ

ある女性が妊娠をきっかけに過去の自分を思い返し、子供を産むことに悩む姿が描かれている
正確には悩むというよりは混乱しているのしれない
彼女は夜の店で働き、風俗で働くこともあった
また、破滅的な男性に惹かれることが多かったこともあり、男性と長く付き合うことができなかった
そんな中、善良ないわゆる普通の男性と知り合い、彼の子を身籠る
ただし、嬉しくはない
血液検査で何か問題が見つかると思ってもいる

最後、何か結論が出るわけでもなく、この作品は突然終わる
ちょっと変わった作品だ

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2026年08月15日

Posted by ブクログ

作者が元セクシー女優ときいて本により深みを感じます
ただ過去と現在が混在してて時系列の把握が難しいなと思いました
過去の出来事によりこれからの普通の未来を送ることが怖くなった話と誰かが書いててすごく共感

芥川賞受賞作含め候補作品を他にも読んでみようと思いました

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2026年08月11日

Posted by ブクログ

著者らしい作品といえばらしい作品である。女性にとって“血”は男性にはない経血がある。生理に関する血は妊娠につながり、そして血統という所謂血のつながりとなる。主人公の女性は血液だけでなく広義の血についても自分のものは悪いと考えているようだ。妊娠時の血液検査で採取された血液を取り戻そうと行動する。こう考えると、タイトルの「悪い血」とはなんとシンプルでストレートなタイトルなのだろうと驚く。作品を面白く感じるかどうかは読む人によるだろうが、読みやすい文章の中に深いつながりが隠れていそうだ。

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2026年07月28日

Posted by ブクログ

思いがけず妊娠したものの、過去の自分の悪行が脳裏をよぎり、産科でおこなわれた採血の結果に不穏なものを予感する女性の話。
妊娠中の変化や感情の機微が描かれるものだと思い込んでいたが、血液を奪還するため病院までの夜道を彷徨いながらの回顧がメインだったのが意外。
お父さんとの会話のシーンと、かつての悪友が連れ戻しに来てくれたシーンは好きだし、読後感は良かった。

ただ、この主人公が世界を否定するのだけは違うと思う。身籠ったタイミングで、ほんとはきっとそのようにしか生きさせてくれなかった社会が悪いって言いたくなったのかもしれなくて、それを言わないだけの知性は感じた。
別に罪も罰もないと思う。ただの愚かな過去があるだけで。

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2026年07月27日

Posted by ブクログ

一文が長めで文体好きだった 罪悪感や過去の過ちへの贖罪、いつかツケは回ってくるという感覚、結局は責められるのが怖いだけなのかもしれないという思考には共感した
こんなことを言っては元も子もないんだけど性描写が嫌でグググヴヴヴとなりながら読んだ

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2026年07月12日

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