あらすじ
JAL破綻による路線減便で、さらに経営が厳しくなる空港。赤字空港不要論も叫ばれるが、本当に即ムダと言えるのか。本書では不毛な断罪を斥け、日本の空港の活路を考える。
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Posted by ブクログ
空港の大問題が良くわかりました。
現在の空港は、赤字だらけ。ほとんど黒になっているところはありません。でも、筆者はそれでいいとおっしゃる。なぜなら、空港はインフラだから。
ただし、その赤字幅は最大限に減らすべき、とも言っている(はず)。赤字を減らす方法はなかなかないが、海外の例に学べば、空港ターミナルビルで稼ぐことがいいようだ。
空港ターミナルに人を呼ぶような仕組みになっていれば、ビル自体は儲かるので、空港と連結決算になっていれば空港本体の赤字幅も解消できる。能登空港のように、行政機能を持たせたり周辺地域の活性化を主目的にチャーター便を飛ばすなどのさまざまな「工夫」が必要である。
全国にたくさん散らばっている地方空港は、そうして生き残る道を見つけて「経営」しないと、いつまでたっても地域の金食い虫で、地域住民からもいい顔をされない。住民と一緒になって空港の存在意義や活用の仕方を考えていくことがよいのだ。
地域社会学を学ぶ上では、読んでおくと理解が深まる一冊ではないだろうか。