感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
ホラー短編集のようでいて、独特の情緒が溢れている作品集。
表題『かなたの子』は失った子を追い求める女の柔らかな狂気が描かれていますが、どの物語にも生死の微妙な境目のようなものが根底にあるようです。
少しずつ狂っていく人々が淡々と描かれているから怖い。
どのタイミングで世界がズレたのかが分からないのが怖いのです。
静かに消されていく真実、心の中から自ら消していく真実。それらは全く消えたのではなく、背後から少しずつ忍び寄ってくる。
その確かな罪の意識に、人々は耐えることができない、そんな物語。
Posted by ブクログ
因習という言葉が、物語の底から響いてくる。
生まれなかった子供に会えるという「くけど」に、向かう女の話し。時代設定が現代だったり、明治~昭和初期のような感じがしたりします。
Posted by ブクログ
出会うべき大事なものを探し求めて彷徨うこと、そしてそれをせずにはいられない本能のようなものを感じた。
生きている自分と、今までに生きて死んでいった数々の命が繋がる。ひとりきりで生きて死ぬのではないのかもしれないと思えてくる。幾度となく繰り返され繋がれてきた命のサイクルの中に、私たちは永遠に生きている。
最後は、あなたを誰も責めはしないと言われているようで、大きく包まれるような安堵を覚えた。