【感想・ネタバレ】小川洋子が読みとく『アンネの日記』 NHK「100分de名著」ブックス編のレビュー

あらすじ

作家になった原点は『アンネの日記』だった
「作家としての原点に『アンネの日記』があるからこそ、わたしは書き続けられるのだと確信している」--小川洋子

「一生の間に、『アンネの日記』と出会えたことは、本当に幸せ」と語る著者が、この本の魅力をあますところなく紹介する。

【文庫版書き下ろし、オリジナルのフォト多数追加! 図解がたっぷり。】

\世界中の学校で必読図書/
「これほどリアルな少女の声が胸に響く文学を他に知らない」(著者)

第二次世界大戦下、ユダヤ人の少女アンネが隠れ家で書いた『アンネの日記』は戦後、大ベストセラーとなり「世界記憶遺産」にも認定。
将来への夢、大人への不満、性への憧れなどが綴られたこの本が、なぜ人々の心をそこまで掴むのか。アンネとの出会いが作家になった原点と語る著者が、その魅力に迫る。
文庫版オリジナルページを大幅追加!

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Posted by ブクログ

出会えて良かった一冊でした

悲劇の少女、ではなく、感受性豊かでどんな困難な状況下でも希望やユーモア、人を愛する悦びを捨てなかった一人の少女という切り口からアンネを描いた一冊だった

第2次世界大戦時において、すでに時代を先にいく価値観を持っていたアンネ

ペーターとの恋が静かにすすんでいく様子が良
素敵!理想のひと!ととびつく恋ではなく、言葉を交わしながら少しずつ相手を知り、思慕をつのらせていった。
わずか14歳で、なんて大人で素敵な恋だったのだろうと脱帽した。

様々な彼女の一面を知ることができた

フランク一家連行時、床に散らばったもののなかに見つけたアンネの日記をこっそり回収保存したミープ氏に感謝
彼女のとっさの行動がなければ、世界中で読まれているアンネの日記は世に出ることはなかった

夏休みの感想文にもオススメの一冊

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2026年07月25日

Posted by ブクログ

アンネ・フランクと文章を通して出会った小川洋子さん。そしてその出会いから生まれた文章を今読めていることに感謝しなければならない。 

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2026年07月19日

Posted by ブクログ

家族が買ってリビングに置いていたのを手に取った。隠れ家の詳しい絵と、多くの写真に目を取られ、そのまま座り込んで読み通した。

「私の望みは、死んでからもなお生きつづけること!」
そんな言葉があったのか。なんと。

「アンネの日記」は、アンネと同じ年くらいに読んだっきり、細かい内容などほとんど覚えていない。小川さんは、年齢とともに読み方が変わってくるという。
昔読んだ時には、ペーターとの恋心が最も心に残った記憶があるから、やはり、若い時ならではの読み方だったんだろうと思う。

小川さんは、「物語」の力が、生きる力となったと分析している。日記が「物語」となること。それが、隠れ家に2年も閉じ込められたアンネに書く喜びをもたらしたという。

「物語」は人間を戦争にも駆り立てるが、希望をももたらす。人間にとって「物語」とは、人間たらしめる重要なのはものなんだよね。

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2026年08月02日

Posted by ブクログ

【小川洋子さんの作家への原点となった『アンネの日記』への熱い思い】

世界記憶遺産に登録されている『アンネの日記』。
残念ながら私は未読だったのですが、小川洋子さんがその魅力をどう読み解くのかに惹かれて、この解説本を手に取りました。

「アンネの日記」と聞くと、どうしても戦争や迫害の暗く悲しいイメージが先行してしまいます。
しかし、本書に溢れているのは、これでもか!というくらいの小川さんの深い「アンネへの愛」。

描かれているのは、ただの悲劇の記録
ではありません。
隠れ家での息が詰まるような潜伏生活、思春期ならではの心の葛藤、そして瑞々しい初恋……。過酷な状況下でも、ユーモアと卓越した文章力で日常を紡ぎ続けたアンネの文才に、ただただ驚かされます。

特に心に残ったのは、日記に綴られたこの一節。

「私の望みは、死んでからも
なお生きつづけること!」

まるで未来を予言していたかのようなこの言葉通り、彼女の日記は今も世界中の人々の心の中で生き続けています。

戦争の悲劇だけでなく、一人の少女が遺した「文学の素晴らしさ」を丁寧に教えてくれる一冊。
小川さんの熱い思いに背中を押され、私も『アンネの日記』を開いてみたくなりました。

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2026年07月24日

Posted by ブクログ

アンネの日記について、私が過去に読んだ時の記憶が蘇る。苦しい潜伏生活についての記憶よりも、何か常に希望をもちながら生活をしているアンネの心の中の声が、恋する乙女の想いが、不自由なはずなのに凛とした少女の姿が思いだされる。だからこそ最後の結末が最悪なものだったにも関わらず、ヒトラーのユダヤ人迫害を描いた暗く辛い物語としての記憶になっていないのだと気付かされた。

父としての視点から見たとき、また自分への戒めとしても誕生日に父オットーからアンネにプレゼントされた詩が印象にのこる。

一ここではいちばん年若だが、おまえはもう幼児ではない、しかし人生はきびしいだろう、われわれ年長者が周囲から、あれこれおまえに指図しようとするからね。

自分の欠点は小さく見えるものだ、だから他人の欠点は批判しやすい、他人のそれは二倍にも大きくみえるものだから。どうかわれわれを、おまえの両親を、広い心で見てほしい、これでもおまえを公平に、共感をもって判断しようとしているのだから。(1943年6月13日の日記)

日記から読み取るアンネの成長や葛藤を伝える小川洋子の綺麗な文体による解説が素晴らしい。小川ファンになりそう。

辛く暗い物語になっていないとはいえ、学ぶべきは日常の暮らしが一瞬にして奪われるのが戦争であること。戦争は抽象的な数でなく、1人1人のおもてにあらわれない日記を奪うということ。

東浩紀の「平和と愚かさ」にもあった「抽象化と数値化の暴力」の記述を思い出す。無数の人々が、集団的に、匿名的にゴミのように殺された。ドイツのホロコーストにせよ、日本の731部隊にせよ、、20世紀の大量死の本質は、犠牲者を数に還元し、その生と死から名前と意味を奪うことにある。それゆえ、その記録においてはまず名前(固有性)の回復が重要になる。

まさに、「アンネの日記」は数の暴力に対して意味の回復で抵抗する書物。「世界記憶遺産」たる所以。

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2026年07月10日

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