あらすじ
【「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラーを翻訳出版】
写真16頁・豊富な資料を収録、世界21言語に翻訳予定
中国との75年闘争をすべて書いた初の自伝
◎未来への伝言
◎習近平体制への予言
◎次のダライ・ラマについて
【チベット仏教の最高指導者による第一級の証言】
中国とは何者なのか
毛沢東、周恩来、鄧小平、江沢民、胡錦濤、習近平
中国の歴代最高指導者との全交渉、その教訓
【7月1日から中国「民族団結進歩促進法」施行】
チベット本土のチベット人たちは、自らの意思と文化にふさわしい形で生きる自由と、民族としての尊厳を奪われたままだ。それは一九五〇年以前には千年以上もの間、彼らが享受してきた権利である。今日、少しでもチベット人らしさを見せれば、チベットの新たな支配者から脅威であると受け取られる。つまり「安定」や「領土の保全」を口実に、私たちの文明を消滅させようとする企てがなされる可能性があるのだ。(本文より)
【監修、櫻井よしこ】
ダライ・ラマ法王十四世は息詰まる緊張の中、チベットを脱出してインドに亡命、以来約七十年間、毛沢東、周恩来、鄧小平、江沢民、胡錦涛そして習近平ら中国共産党首脳の弾圧に耐えてきた。本書はその長い年月の間、法王が彼らと交わした会話、合意した約束事、その果てに実行された、合意とは似ても似つかぬ中国共産党の所業の記録である。 十代の少年だった法王は百戦錬磨の六十代の中国共産党幹部とどのように向き合ったのか。毛や周の巧みな言辞に、殆ど彼らを信じる際まで行った若き法王は、最後の局面で危うく気付くのだ。中国共産党幹部の言葉に真実の一片もないことに。(日本語版解説より)
【訳、三浦順子】
本書は長きにわたる闘いのひとつの総括といえる。そこにあるのは圧倒的な時代の流れの中で、交渉を試みては手痛く跳ね返され、それでも諦めることも挫けることもなく、正義と道理はこちら側にあるとチベット民族を励ましつつ、粘り強く中国側に交渉のテーブルにつくよう求める法王の姿である。(中略)
後世のため、ダライ・ラマ法王当人の口から、中国とのこれまでの交渉の経緯を、資料も含めて公式に残そうとしたのが本書である。またダライ・ラマ十三世が後世のために遺言を残したように、今後のチベット運動の指針を、次代のダライ・ラマ問題もふくめはっきりと明記しておきたかったのだろう。(訳者あとがきより)
【日本語版・特別収録】
日本語版によせて:ダライ・ラマ法王
日本語版解説:櫻井よしこ
訳者あとがき:三浦順子
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Posted by ブクログ
今年(2026年)7月、御歳九十一を迎えたダライ・ラマの、おそらく最後の自伝であろう。
1959年のインド亡命以来、70年にわたる闘争の日々、思いを綴ったものだ。
中国国内のみならず、周辺諸国への圧も増す、現在の習近平政権。その将来、方向性も本書の記述から窺い知れる。「百年国恥」を拭い、失地回復を目論む中国の動向に、一層、注目すべきことを、チベットの舐めた辛酸の歴史から垣間見ることができる。
とはいえ、インド古代哲学由来の非暴力(アヒンサー)に徹することの是非も、今は問わねばならないのかもしれない。 悲しいことに……。
ダライ・ラマ十三世(ひとつ前のダライ・ラマ)の遺言を引いて、著者自身も、こう語る。
===(以下、本書より引用)===
「差し迫った災厄から自らを守るためにあらゆる努力をすべきである。それが適切なら、平和的な手段を用いなさい。しかし、必要とあれば、力に訴えることをためらってはいけない。」
ダライ・ラマ十三世亡き後、チベット政治を率いる者たちも摂政も、彼の警告の深刻さや緊急性を理解できなかったのはまさに悲劇といえよう。つまるところ、この遺言はほとんどにおいて正しかったことが証明されたのだ。
===(引用、以上)====
でも、最後まで人間性(ヒューマニティ)に期待したいとも、著者は言う。
難しい問題だ。