あらすじ
洋行帰りの妻子ある画家の自宅に、若い女から手紙が毎日届く。「あたしあなたを愛してるの」高尾と名乗る娘は男を翻弄するが、突然姿を消す。その友人の美少女つゆ子に惹かれた彼は、頼まれるまま捜索に加わるのだが――。恋多き女として華やかな生涯を送った宇野千代が、実際の同棲相手・東郷青児をモデルに描き世の話題をさらった大ベストセラー。昭和初期の最先端恋愛を活写した著者代表作。(解説・河盛好蔵、河合香織)
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Posted by ブクログ
宇野千代の小説は初めて読みましたが、とっても読みやすくて引き込まれました。著者はNHK連続テレビ小説「ブラッサム」で主人公のモデルになっていますね。
この小説は時代背景が古くて、通信手段が電報または女中さんの「言付け」が主流でした。それでもそんな事は問題にせずストーリーが面白い。
内容としては実際に起こった、洋画家•東郷青児が起こした侵入未遂事件が元となっています。宇野千代はリアリティを求め、東郷本人と会いそこから同棲が始まり一緒に暮らし始めます。
まさに現実は小説より奇なり。
登場人物たちが注ぐ恋愛に対するエネルギーたるや凄まじいものがあります。主人公の男性が、愛に対する受け身姿勢や右往左往する気持ちによって女性たちを翻弄させ、やるせない恋愛模様となっています。
昭和24年初版は戦前検閲のため削除箇所があったそうですが、今読んでもちょっと過激だなと思う部分はあります。作者の業というべきか、作者の恋多き人生も相まっての小説なのかもしれません。
現在の生きづらい、恋しずらい時代だからこそ受け入れてもいいの小説なのではと感じました。
なんだか生のエネルギーが湧いてきます。