あらすじ
コメはなぜそんなに特別なのか
人気植物学者が解き明かす 奇跡の植物イネとコメの秘密
コムギやトウモロコシと並んで世界三大穀物の一つに数えられるイネ。世界にはたくさんの植物があるのに、なぜ日本人の祖先は数ある植物の中からイネを選び、コメは日本人にとって特別な食べ物になったのか。植物としては奇妙な特徴をもつイネやコメが、田んぼという日本の原風景を作り、経済作物にもなった。植物学を足掛かりに人間文化との深い結びつきをひも解く。 解説 小泉武夫
【目次】
第一章 米って何だ?
第二章 イネという植物
第三章 田んぼというシステム
第四章 米で読み解く日本の歴史
第五章 米と日本人
解説:イネを愛する至高の一冊 小泉武夫
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Posted by ブクログ
日本人にとっては大事なコメ。小麦とは栄養価も加工の仕方も違う。粳(うるち)と糯(もち)の違いなど知らないことも多かった。日本などジャポニカ米を食べるから箸の文化にもなっている。年貢はお米で納めていたし、戦国時代など国力を知るには、コメがどれだけ収穫できるかの石高だった。もともと温暖な地域でしか栽培できないものが、現在では品種改良により北海道でも美味しいお米が食べられます。若い頃は大盛で食べていたが、40代過ぎてからは茶碗に半分ほど。たまには白米をたらふく食べたいな(笑)
Posted by ブクログ
稲垣栄洋さんは沢山の本を書いているが、本書は若者向けに著した「植物はなぜ動かないのか」「雑草はなぜそこに生えているのか」に続く3冊目の本らしい。
前半はイネと言う植物についての生物学、後半はイネを育てる田んぼと収穫物のコメについての歴史や文化といった内容。
去年はコメが高騰し社会問題になったが、日本人なのにコメのことをあまり知らないことに気づかされた。
植物としてのコメのみならず、日本の文化や生活、社会構造などコメが果たした役割を知ることができる。
簡潔に、広く浅く「コメ」に関するうんちくを身につけるのに最適な本だ。
例えば、
「イネ」は奇妙な植物だ。
植物は種子を地面に落として子孫を残す。
が、イネは「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という句が詠まれるほど種子を落とさない。
これは突然変異で種子を落とさないイネを選択してきたからだそう。
その他、田んぼに水を張る理由や、種をまくのではなく少し育った苗を植える理由など、稲作にまつわる蘊蓄が満載だ。
「イネ」って水田で育つ。
大量な水が欠かせない作物としては、イネのほかにはレンコンとワサビくらいしか思いつかない。
水田は日本の風景の一つになっているし、日本人にとって「ご飯」といえば「コメ」だ。
「おにぎり」や「おすし」は日本食の代表だ。
「せんべい」や「もち」も種類の違うコメから作られている。
東京を離れ電車に乗って旅行に行くと、遠くに山が見えるが何もない景色が車窓から見える。
だが、何もないのではなく「田んぼ」があるのだ。
空気と同じように「田んぼ」は、あることが当たり前になっているのだ。
苗字の"苗"はイネの苗、
そして、日本人の苗字に最も多く使われている漢字は"田"
文字通り田んぼに由来していて、田中、前田、横田、上田、平田、神田、池田、吉田、芦田など、"田"はさまざまな苗字に使われている。
おでんを漢字で書くと"御田"と"田"が使われている。
ナイフやフォーク・スプーン、皿などは家族で同じものが多いが、茶碗と箸は個人個人で別々とコメを食べる道具は特別な存在。
コメと日本人について書かれた本は沢山あるが、コメ(イネ)という植物を生物学的にも知りたい人には本書がよさそう。
Posted by ブクログ
昨年の春、「植物に死はあるのか 生命の不思議をめぐる1週間」という本で初めて知った植物学者の稲垣栄洋さん。
この本がとてもエキサイティングで面白かった。
いつもの工夫舎さんで、まず「コメと日本人」というタイトルに惹かれて手に取り、著者名を確認。流れるようにレジへ直行。
…はい、やっぱり面白いー!
コメ、お米、白米…ごはん…美味しいよね。ここ数年来わたしをときめかせる食べ物のひとつが塩むすびだったりする。
植物としてのイネの話、うるち米ともち米の違いをアミロペクチンとアミロースの割合からわかりやすく教えてくれる。
イラストもかわいいし、直感的な理解を助けてくれるのでありがたい。
田んぼというシステムについても、目から鱗の内容だった。
見慣れた普通の景色に鮮やかな色がつくみたいに、知ることの楽しさが体感できる。
特に面白かったのは、第四章「米で読み解く日本の歴史」そして第五章の「米と日本人」。不思議なんだけど、最近興味が湧いて読んできた本や、触れてきたカルチャーに全方位で繋がる内容だったので、美味しいお米みたいに「美味いなぁ、美味いなぁ」と思いながら読んだ。
きわめつけの解説、小泉武夫先生。
発酵業界では大御所らしいが、
小倉ヒラクさんの本や、関連からそのお名前を耳にする機会があったので、
「おおっ、ご本人登場?!」と、その文章に大興奮してしまった。
(内容はもう一回読み返そ)
読書って、本との出会いって、
こういうことがわりとあるんだよな。
今回も最高の出会いになりました。