あらすじ
作家がかつての恋人と、御曹司が脱走の果てに、悪魔が魂を食らいに、人気女優が週末休暇に、……ここホテルサラマンダーを訪れる! 世界的資産家、リック・サラマンダーが引退を機に経営を手がけた、知る人ぞ知る会員制ホテルの「ホテルサラマンダー」。やる気なしで態度が横柄な支配人・パドゥック、雑用係のそばかすメガネのメイド・珠実、警備担当? の執事ロボ・タロウ、謎の名シェフだがラーメンが得意な陳シェフというメンツで今日もお客様をお迎えする。しかし、山間にひっそりたたずむこのホテルを訪ねるのは、一風変わった客ばかりのようで――!?
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Posted by ブクログ
ITAN本誌を読んでいて気に入ってるので購入。ホテルの理想と従業員によるドタバタ珍道中が小気味よく描かれた面白い作品でした。
ホテルの理想。ホテルを大きく、利益を出そうとせずにただ予約をとったお客様のためだけにサービスをする。資本主義とはかけ離れた経営方針ですが、だからこそどこかゆったりと過ごすことができる。自分自身がホテルに求めるものは心地よく寝れるかどうかみたいのが中心にいきますが、やはり副産物があるのと嬉しいもので。景色が良かったりメシが旨かったりと自分の閉塞感たっぷりの家とは違った様相のところに泊まったときはまさにそんな気持ちになりました。ホテルサラマンダーではその副産物が利益に囚われないからこそ産まれた雰囲気であることが面白い。
この他、その雰囲気を生み出す一因となっている従業員の性格もうまく作品内に溶け込んでいます。それぞれがこのホテルにきた理由とか見てみたいです。このままゆったりした雰囲気を保ち続けて欲しいですね。