【感想・ネタバレ】黄金幻魚のレビュー

あらすじ

三陸海岸の港町の漁師・神林優作は船のメンテナンスで休漁中に、中学三年生の息子悠太が同級生を殴ったと学校から呼び出される。母親不在のうえ仕事柄あまり口を利かなくなった息子は、殴った理由を話そうともせず、毛鉤釣りをやりたいという。息子の釣りの師匠は、小山内未帆という妙齢の美女だった。息子との交流を求め優作も弟子入りするのだが、いつのまにやら“幻の大物”を釣り上げる「ひと夏の冒険」が始まっていた。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

02年の乱歩賞作家なんですね。今作はミステリ色は
ほとんどなく、どちらかというと大人になりきれない
大人の青春小説...という雰囲気です。中3の息子と
本気で喧嘩をするような父親「優作」の一夏の
青春...という感じの作品。
漁師でありながらも、フライフィッシングを覚え、
その師匠である謎の女性に恋をし、息子と共に
伝説の巨大魚を釣り上げるという冒険に出る...まるで
子供そのものw。
でも、厭味なく漁師という仕事に誇りを持つある意味
天然で天真爛漫な父親「優作」の姿は決して見苦しくなく
微笑ましい。
釣りを通して描かれる自然も、その中で暮らす人達も
暖かみのあるもので、一種の憧れすら感じてしまいます。

ラストも含めて安易なハッピーエンドではなく、
やはりほろ苦く、かつ心に残る夏休みの思い出として
完結するのも、きっとこれが正解なんでしょうね。
ミステリとしては薄味ですが、青春釣り小説としては
美味な作品。

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2011年04月23日

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