あらすじ
日本最大級の投資実績を持つグローバルファンドが、
PEファンド(プライベート・エクイティファンド)の真価をひもとく
近年、PEファンドによる企業買収のニュースを目にする機会が増えています。
しかしPEファンドと聞いて、その実像まで立体的に語れる人は、いまだ多くありません。
かつては、企業を買収し、コスト削減やリストラを断行したうえで短期間に売却する--
そうした「冷徹な金融プレイヤー」「ハゲタカ」といったイメージが先行していました。
しかし経済環境の変化とともに、近年ではその役割が重要視され、
いまやPEファンドは、資本と知見を投じて企業の変革を支える
「再生のプロ」「経営のパートナー」として評価されつつあります。
日本において大きな存在感を持つ世界有数のPEファンド、ベインキャピタルは、
自らを「企業変革のパートナー」と位置づけます。
本書では、同社が手がけた9つの実例をもとに、
具体的に企業を再成長させたメカニズムをひもときながら、ベインキャピタルの強さの秘密に迫ります。
目次:
序章 はじめに 日本経済におけるPEファンドの存在感の高まり
第1章 企業価値向上力をひもとく投資の実例9
第1節 ベインキャピタルの投資の全体像
第2節 ケース別に見るベインキャピタルの投資の事例
<企業価値向上支援のケース>
ケース1:すかいらーくホールディングス
ケース2:ユキグニファクトリー
ケース3:ニチイホールディングス
<カーブアウトのケース>
ケース4:キオクシアホールディングス
ケース5:プロテリアル
ケース6:ヨーク・ホールディングス
<創業家・アクティビスト対応のケース>
ケース7:IDAJ
ケース8:T&K TOKA
ケース9:トランコム
第2章 企業価値を高める力の源泉はどこにあるのか
第1節 ベインキャピタルの実績
第2節 日本独自のミッション・ビジョン・バリューを策定した理由
第3節 企業価値向上にフォーカスする「ポートフォリオグループ」とは
終章 おわりに
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Posted by ブクログ
面白い。とても貴重。買ってよかった。
備忘録。
・バリューアップのプロセスを後から整理して説明すると、理路整然と見えるかもしれません。しかし経営改革というのは計画通りに進むのではなく、試行錯誤することが前提です。当時を振り返ると、とにかく無我夢中でがむしゃらにやっていたように思います。
・最終的に人のマインドを変えるのは、言葉ではなく結果。カルチャーの変革を目指すなら、収益の改善とセットで追いかけることが必要なのです。
・ニチイHD案件での「採用における地域ごとの報酬の最適化」に、なるほど。以前は、全国3,000の現場に裁量を持たせていたが、本部の全体を見る機能が弱かった。本部が全体を可視化して戦略的に報酬水準や採用プロセスのあるべき標準形を示し、その上で現場に動いてもらう。
・ヨークHD案件での資本構成。創業家が5%、セブン&i HDが35%、ベインが60%。しかも、重要な意思決定を行う際にはセブンと事前協議。この条件を飲んで投資している。なるほど。
・IDAJでは、事業は強いが、内部管理に課題が多かったようだが、例えば経営会議の運営などを最初からTOBEを示して押し付けたりはせず、敢えて自力でやってもらっていたらしい。それでも事業は崩れないという安心と、PMI期のストレス軽減など、総合的に考えて。
・手薄になりがちなITやDX。経営陣がITと現場に関する理解があるかがポイント。
・ベインが高い買収価格を出せている一面。ノンコア事業は買い手は売るし、売却価格を低めに見積もりがちだが、ベインはとにかく高く売る術を考えている。前提として、コアやノンコアに分ける前に、各事業の価値を最大化する術をとにかく考えている。なるほど。