【感想・ネタバレ】ニーチェ入門講義のレビュー

あらすじ

ニーチェがかけた呪いとの格闘の歴史こそが、現代思想そのものであった。「(権)力への意志」「アポロン的/ディオニュソス的」「真理(への意志)」「価値(の転倒)」「超人」「正午」「永劫回帰」「重力」……、その“何か根源的だけど、簡単には言い表せない”思想の深淵をじっくりと覗き、テクストを熟読玩味の上、徹底解説。きちんと学ぶための新たなる道標。

下手によむと痛い目にあう「厨二病」の源泉/ポストモダンの原点を攻略。誤読を防ぎ、「使い方」を学び、その本当の“凄み”を析出する!

ニーチェの概念は、文脈によって全く正反対のことを指しているようで、理解しにくい。断言調で書かれていることもあって、一度分かったつもりになっても、しばらく読み進めると、別の文脈で全然違った意味合いで使われているように見えてきて、だんだん分からなくなる。様々なタイプのレトリックを使うので、同じことを異なった角度から語っているのか、アイロニーなのかさえ分からないことがしばしばある。
(…)ハイデガーやデリダのようにニーチェに拘る――ニーチェ以上に何を意図して書いているのか分からない――思想家たちに言わせれば、ニーチェが難解なのは、私たちにとってあまりに自明に見えて、その実よく分かっていないので、どこから手を付けていいのか、何を起点にしていいのか分からない問題に対して、分かっているふりをしないで、先がどうなるか見えないまま、果敢に取り組んだからだ、ということになるだろう。(本書より)

【著者プロフィール】
仲正 昌樹 (ナカマサ マサキ) (著)
1963年広島生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。 現在、金沢大学法学類教授。専門は、法哲学、政治思想史、ドイツ文学。古典を最も分かりやすく読み解くことで定評がある。また近年は、あごうさとし構成・演出の数多くの演劇に、ドラマトゥルグを担当し自ら訳者を演じるなど、現代思想の芸術への応用を試みにもかかわっている。・主な著作に、『新版 集中講義! アメリカ現代思想』(NHKブックス)など。・主な編・共著に、『政治思想の知恵』『現代社会思想の海図』(ともに法律文化社)。最近の主な翻訳に、ハンナ・アーレント著 ロナルド・ベイナー編『完訳カント政治哲学 講義録』(明月堂書店)など。

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Posted by ブクログ

まだ、「悲劇の誕生」パートしか読んでいませんが…。
とりあえず、あまり詳しく論じられる機会のない『悲劇の誕生』が取り上げられているので、とても有難い…と思う反面、あまり入門書っぽくないなぁという気もしました。
ちなみに、『悲劇の誕生』を読む準備としては、中央公論新社の『哲学の歴史 9』所収の「『悲劇の誕生』とその周辺」の前半を先に読んでおくのがお勧めです(仲正先生の解釈を相対化する意味でも)。
本書はその後か、『悲劇の誕生』と併読するのが良いのかな、と思いました。

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2026年05月02日

Posted by ブクログ

2019年に著者がおこなった講義をまとめた内容の本です。ニーチェの著作のなかから、『悲劇の誕生』『ツァラトゥストラはこう言った』『道徳の系譜』の三作品をとりあげ、引用をおこないつつ、その意味をていねいに解説しています。

「仲正昌樹の講義シリーズ」の他の本と同様、テクストをていねいに読み解いていくというスタイルが紙上で実践されており、人文学を学ぶことのたのしさが実感できる内容でした。タイトルの「入門講義」ということばは、ニーチェの思想を手っとり早く紹介している本という意味ではなく、これからニーチェの思想という「門」をくぐりその内奥をめざしていこうとする読者に向けての本という意味なのでしょう。

著者は、『ツァラトゥストラ』についての質疑応答のなかで、「普通に読もうとすれば、どうしても小説か哲学書のどちらかからの読み方になると思います。ニーチェ自身と同じようなジャンル横断的に思考を展開できるような習慣を身に付けるか、私がやったように、解説者のつもりになって読むかしないと、分かった気にはなれないと思います」と語っています。

ニーチェの思想に心酔したり反発したりといった向きあいかたで臨むのではなく、あくまでその思索の道筋をたどっていくことをめざす読者にとって、本書で著者がおこなっているスタイルそのものを学ぶことが有益なのではないかと感じます。

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2024年10月20日

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