あらすじ
元祖BL漫画。ものを宙に浮かせる能力を持った謎の美少年パースペクティブ・キッド。彼をめぐって、殺人まで起こる愛憎劇が繰り広げられる。
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Posted by ブクログ
ひさうちみちおのデビュー作らしい。
自分は恥ずかしながら、これが初ひさうち作品だった。
大戦前のヨーロッパが舞台。不思議でなんかカワイイ。
絵がデザイン系の絵の上手さなので、もう一々全部が本当にカッコいい。古い作品を読む時って大抵の場合こちら側が歩み寄る必要があると思うけど、何故だろう、この系統、その必要があまり無いような…。
お話は耽美BLみたいな話だったが、割と抵抗なく読めた。エログロな部分もあるけどクールだし、なんなら、ちょっと毒々しいほどにクールで、マジックリアリズムな感じがした。
Posted by ブクログ
ひさうちみちおの処女作「パースペクティブキッド」完全版。私はガロを購読していなかったので、ひさうち氏の作品に初めて触れたのはJUNE誌で、非常に強い印象を受けたのを覚えている。JUNE誌の掲載作で未だに覚えているのはこれだけかもしれない。超能力者キッドを巡る追いかけっこの物語である。あとがきでひさうち氏が「絵が稚拙」と言っているのはまったくどういう意味なのか、と訊いてみたいほど精密な絵がすばらしい。わたしはあれ以来、ひさうち氏をずっと追いかけているかもしれない。
Posted by ブクログ
上等で上質でメランコリックでリリカルな映画を見終えたときの気分。
そして香り高いお酒を過度に飲み過ぎず適量にすんなり落ちた感じ。
あらすじを書き記せばそれまでになる、すれすれのところに踏み止まって、作品の質を高めているのは、紛れもなく絵、画、コマ、言葉、動き、すなわち漫画的な表現すべてだ。
Posted by ブクログ
本能と理屈は相容れないと思っているなら、読んでもつまらない。
ひとはどんな行動にでも、理屈をつけずにはおかない生き物なのだと思うのなら、面白い。
動きがある画面なのに、ごく静かな画面とタッチは、やっぱり独特。
伊藤潤二の描く、コマ落としのような動きが好きなひとは気に入るかもしれない。
にしても、絶版か。ひなびた本屋で買っておいてよかった。