あらすじ
笠井亨は同窓会で、元親友の遠藤圭祐と十年ぶりに再会した。ゲイの友人を遠藤が不登校に追い込んだことで仲違いしていた二人は、また高校時代のような気の置けないつきあいを始める。だが笠井は偶然、遠藤がずっと自分を好きだったことを知ってしまった。友達でいいとすがる遠藤を、表面上は受け入れる笠井。しかし執着と欲望を隠そうともしない遠藤に苛立ち、彼の前から姿を消すが……。ノベルス未収録作と書下ろしを加えた新装版。麻生ミツ晃先生の口絵・挿絵収録。
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Posted by ブクログ
今まで数々の執着攻めの小説や漫画に手を出してきましたが…この攻めの執着はほんとうに気持ち悪くて薄らこわい。こんなに好感を持てない攻めは初めてです…!でもこの気持ち悪さが癖になります
主人公と攻めは高校時代の友人。ある時主人公がゲイに告白され、それを目撃した攻めはそいつがゲイだと言いふらします。自分の親がゲイだということもあり過去に嫌がらせを受けた経験のある主人公がそれに憤り、攻めと喧嘩して疎遠に…。社会人となって同窓会で再び会うことになって…というのが大まかなあらすじ。
なんだろう、距離の詰め方が絶妙に気持ち悪い。
恋とはどういったものかを熱弁した後、主人公が寝たのを見計らっての頬撫でにはゾッとしてしまいました。
最初は謙虚さを見せておきながら徐々に本性を出して、思い通りにいかないと屁理屈を押し通して強行に及んだり職場に電話を掛けたり主人公がどんなに嫌がってもお構い無し。
受けが本当に攻めを気持ち悪がってる描写が秀逸!
魚の餌のミミズが潰れて赤い汁が指についたときのふと出た「気持ちわりぃんだよ…」って言葉が攻めに対しての言葉でもあるんだな〜と思うと…
ナメクジのキスは笑うw
執着
ストーカーだった、改めてコワイ攻だなと。好意という感情がなかなか難しい問題で、それでも恋には勝てなかった…ラストは人によって評価が変わりそうだ。
Posted by ブクログ
とてつもない執着攻ものですが、このレベルは
突き抜けすぎてて衝撃でした。
初読み作家さんでしたが、この腹の底から気持ち悪い、
最早恐怖と言えるような執着を書ききってるのに驚きです。
理解不能で気持ち悪い、言葉の通じない相手、
しかもそのストーカーっぷりたるや、受が警察に相談
することを本気で悩むレベル。
受は受でごく普通の性癖をもってたはずが、親友と
して付き合ってた相手がどんどん豹変し、しまいには
監禁強姦のような力業、あげく脅迫までされて憎しみ
に……。
一体どんな風に決着つけるんだろ……というくらい、
もう深み嵌りすぎてボタンが掛け違いすぎてどうしよう
もない展開だったのに気がつけば……。
この受の攻を受け入れていく過程が秀逸でした。
私も勿論、この攻の異常さは怖気が立つくらい気持ち
悪いと思ったんですが、気がつけば……(笑)
なにこのマジック。
捨てられた犬みたいな眼をしたって知らないからな!
とか思って踵を返しても、背後で「くぅぅん……」と
泣かれてしまったら引き返してしまう、みたいな。
攻の身勝手っぷりに腹が立って仕方ないのに、何か
不思議と目が離せません。
ごね勝ちといえばそうなのかもしれないですけど、
受の葛藤も非常に上手に書かれていて、凄い。
何冊かこの作家さんの作品は積ん読しているので、
次が楽しみです。