【感想・ネタバレ】旅する絵描きのレビュー

あらすじ

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絵本『絵描き』『ルリユールおじさん』(平成19年度講談社出版文化賞絵本賞受賞)はどのようにして生まれたか。未公開スケッチを多数収録した最新エッセイ。

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Posted by ブクログ

「ルリユールおじさん」「大きな木のような人」「絵描き」に続いて読みました。
これらは作り話ではなく、どれもが伊勢英子さんご本人の体験から湧き出てきた物語だったのですね。

絵本だけでは描き切れなかったルリユールおじさんの話が満載です。
どれだけルリユールおじさんに魅了されたかが伝わってきます。

近出版された「旅する絵描き タブローの向こうへ」も読もうと思いますが、しばらく楽しみに取っておきます。

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2020年01月09日

Posted by ブクログ

(あっ…)
と、心をつかまれた瞬間、
人は誰もが画家になっているんだと思う。

ただ、
そのときめきを白いキャンバスの上に描くだけの技量があるか、どうか。
それがある人は『絵描き』と呼ばれ、
形にも、言葉にもならない天使達を捉える使命を担っている。

本書の中の絵描きを、
私は良く知っている。

リを旅するその絵描きの心を捉えた天使達とは、
以前にも彼(?)の画集の中で見かけた様な気がするからだ。

古い窓越しに見たその風景。
美しい本が並べられたその奥で、
一心に本をかがっている白髪の老人。

アカシアの樹の絵、
三本足の黒い犬。

何を美しい、と感じるのかは、
人それぞれであるが、
私はこの絵描きさんが大好き。

久し振りに出会えてとても嬉しかった。

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2014年08月26日

Posted by ブクログ

10代の頃のパリへの憧れがまた強く胸に迫ってきてしまった。

サンジェルマンデプレを、セーヌ河岸を、カルチェラタンの街を歩くぼく。

Yよ、元気かい。と、まるでゴッホのテオへの手紙のようにつづった日記。完成された挿絵、スケッチ、エスキス、あの大きな木。いせひでこさんの絵本の世界が、こうした旅の中から生まれたんだと胸が熱くなる。

パリの美意識。ショパンは「フォルテッシモで悲しみを打つ」

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2014年08月01日

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大好きな伊勢さんのエッセイ風物語。登場する主人公は男性の想定になっていますが、伊勢さんそのものでしょう。絵本になっていないスケッチも多数掲載されています。手紙の相手Yとは誰か?

伊勢さんはフランスの街並みを舞台に、多くの作品を描かれています。「ルリユールおじさん」「大きな木のような人」「あの路」これら作品の背景が旅人の物語として、絵本のシーンとともに描かれている。

伊勢さんを魅了したアカシアの木はどんな姿なのだろう。街角に佇む3本足は実際に伊勢さんが出会った存在なのだ。「にいさん」で描かれるゴッホの暮らした世界もそこかしこに見えてきます。

Relieurおじさんから言われた「いつか君もここで展覧会をやりたまえ」、この言葉通りに伊勢さんは、柳田邦男の企画協力で絵本の作品展を開催している。

絵本の創作過程を描いた「Pocess」も素晴らしかったが、本書もまた別角度で創作過程の心象に触れることができ大変面白い。一度はフランスを旅してみたいなあ。アカシアの木はずっと待っていてくれるだろう。

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2014年07月09日

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パリの路地裏にある小さな工房で何十年もこつこつと手作業で本を作って来た老人。その製本職人を描いた絵本『ルリユールおじさん』で今年の講談社出版文化賞を受賞した画家がパリでの生活とルリユールおじさんのモデルになった老人との心の交流を語る。「ぼく」という日本人の若者の手紙の形をとっている。

 絵を描く「ぼく」はパリの家々の窓に惹(ひ)かれている。ある日、小さな路地を歩いてたらひとつの窓が目にとまった。窓から中を見ると美しい本がたくさん並べられている。それが老人との出会いだった。

 「ぼく」は家具付きアパルトマンに滞在して絵を描く。パリの町を歩く。はなやかな大通りよりも路地や工房など小さなものに惹かれてゆくのが好ましい。(川)

毎日新聞 2007年8月5日 東京朝刊より

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

絵本「ルリユールおじさん」が、できた経緯がわかる手紙形式のエッセイ。
いせひでこさんの絵は、優しくて大好きです。
ルリユールという仕事、その仕事をされていた方に惹かれた伊勢さんの気持ちがよくわかります。

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2025年05月28日

Posted by ブクログ

「ルリユールおじさん」の作者の伊勢英子さんのエッセイのようですが、主語は「ぼく」であり、Yへの「パリからの手紙」の形式になっています。

直接的な語り口調ではないからか、実体験が元になっているとはいえフィクション的な感覚でこの本を愉しむことができます。(ノンフィクションに近いフィクションということです。ややこしくてすみません。笑)
画家ドラクロアの「ヤコブと天使の闘い」、その作品と同じテーマで描いたゴーガンの作品に対し「観察がない」と怒ったゴッホ。ショパンや画材屋のおやじのタンギーじいさん、画家の視点で切り取られたパリの空気が便りにのって届いてくるようです。

巻末の「ルリユールおじさん」のエスキス(スケッチ)に、とても和みました。

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2024年04月27日

Posted by ブクログ

いせさんの絵本作品の背景となるパリでの時間がスケッチと文章でつづられている。
謙虚というか、秘めた想いがさりげなくそっと語られている文章は味わい深く静謐。
この静けさと優しさがとても心地がいい。

「ルリユールおじさん」「チェロの木」「大きな木のような人」を読んだ後にこの書を手にとったので、全てが響いた素敵な一冊だった。

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2017年08月23日

Posted by ブクログ

パリを訪れた画家は街の中でふと見つけた造本工房に惹き付けられる。ルリュールじいさんとの出会い。じいさんの手は関節がコブコブでゴツイのに手の平は羊皮をやさしく扱うので柔らかい。(すばらしいエスキース)教会にあるドラクロアの絵を探す、ショパンを聞くために教会の扉を押す。パリは魅力に溢れている。観察し思考する画家ゴッホへの憧憬が画家を次の旅に誘う。著者は絵本の中で「僕」になってパリを紹介する。いつまでも画学生の真摯な心を持って描き続ける伊勢さんの近作。とてもいい。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

パリを旅して、モチーフは向こうからやってくるように、窓(正確には、窓から見える
製本屋のおじさんの佇まい)に心奪われる。
毎日、おじさんのもとに通い、
おじさんの人柄や、仕事ぶりから、
創造する1冊1冊に、冒険やひらめき、
出会いがある事を学ぶ。

出会いと言えば、サン、シュルピス教会にある
ドラクロアの[ヤコブと天使の闘い]壁画
ドラクロアは、ゴッホが尊敬した画家で、
二人とも未知の土地へ赴く度に、
新しい色、タッチを発見。亡命したショパンも。
彼らに共通するのは、旅の連続だった事。

僕(主人公)は、絵を描き続ける理由を
自分の欠けたものを埋める作業だと思っていたが、パリの旅での出会いを通して、改めて
ただただ描くことが好きで、
旅する事でまた新たに発見ができる事を
再確認し、パリを後にする。

読んでいて、私もパリの教会の
ドラクロアの壁画を見て見たいと思った。
ゆっくりパリを旅してみたいな。

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2024年08月24日

Posted by ブクログ

2006年3月にはフランスにいた:フランスが揉めていた頃,57歳の画家は〜友よ,ぼくはパリにいて,Relieurじいさんと出逢った〜パリからの手紙。2006年,理論社のHPに掲載し,イラストを添えた画家は1949年生まれの女性。犬に己を映していた。初回契約雇用制度で大騒ぎしていたねぇ

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2012年02月21日

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