あらすじ
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その療養所は柊の垣根で囲まれていた。迎えてくれた元ハンセン病患者の尚幸さんは、これまでの壮絶な人生と、家族との関わりを淡々と語ってくれた。そして聖書のサマリヤ人の譬えをひいて、ハンセン病患者の真の「隣人」とは誰か、とたずねた。「隣人」になるために、私たちに出来ることはなにか。丁寧な取材と鋭い問題意識から書かれた、『信濃毎日新聞』連載の渾身のルポルタージュ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
信濃毎日新聞の記事を書籍化したもの。ハンセン病患者だけではなく、彼らを取り巻く様々な人々のあり方を問うている。
ハンセン病療養所の職員にもスポットライトを当てて、彼らの苦悩もきちんと描いているところが特徴的だった。他のハンセン病関連の本にはなかった。
ハンセン病問題を単なる悲劇として終わらせまいとする著者の意気込みが伝わってきた。こういう新聞記者は貴重だよなあ。
Posted by ブクログ
「ハンセン病が『日常生活ではほとんどうつらない』ことを確認して、どこかでほっとしている自分もいた」。
序章において、信濃毎日新聞の記者が、自らの心情を飾らず赤裸々に語っているところに好感を持てた。記者とはいえ、どこにでもいそうな1人の人間なのだなと共感できた。
ハンセン病に対する無理解を痛感。
(2012.1.9)