あらすじ
第20回小説現代長編新人賞受賞作。
故郷が無いこと。都会の生活を楽しむこと。まだ見ぬ光景に思いを馳せること。
宇宙人は、わたしがどんな人かお構いなしに、宝石をくれるだけ。
誰しもが抱える孤独の本質を問う、衝撃のデビュー作。
選考委員称賛!
侃々諤々の議論が巻き起こった作品。
今村翔吾さん
不穏さや虚無感に惹かれる読者は少なくないだろう。私もその一人だ。
塩田武士さん
出来事があまり多くない小説なのに読めてしまうのは、文章がよいからだろう。
中島京子さん
美しく流れるような文章。晴れすぎた空のような悲しみを帯びた世界観。
凪良ゆうさん
一押し。小説を読むことそれ自体の楽しみがあった。
宮内悠介さん
内なる閉塞感や繊細な心情などは読ませるものがある。
薬丸岳さん
ある日突然、地球に宇宙人がやってきた。もはや言語を使わずにコミュニケーション可能な彼らだが、人間の声を聴くと宝石のような物質を排出するらしい。わたしは、彼らのその習性を利用して対価をもらう「宇宙人の店」で働く代わりに、大学に進学するための費用や生活費を奨学金として援助してもらっている。都会で新たな友人もでき、予備校で出会った了一と恋人になるなど日々を謳歌するが、親密になったはずの彼に、捨ててきた故郷の思い出をうまく話すことができず困惑する。根っこを失い、枝葉にも寄りかかることもできなくなって、言葉の通じない、宇宙人に自らの過去を語り始め……。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
丁寧に紡いだ言葉でできた小説です。宇宙人が出てくるので突飛に感じるかもしれません。でも、閉塞感のある現実や自分の目指したくない人々がいたり、出会えたことが宝物となる愛のある人との交流があったりと身近に感じられる主人公の歩みが描かれています。彼女の感性が冷たく美しい宝石のようだと思いました。
Posted by ブクログ
女性の声を聴くと宝石を吐き出す宇宙人に朗読するアルバイトをする代わりに、奨学金を得ながら生活する主人公。
家族に対する嫌悪、大切な人に対する深い愛、汚い言葉を発する浅慮な人々への殺意、そんな複雑な主人公の独白のような、日記のような、不思議な物語だった。
過去と現在がくるくると入れ替わり、今どこにいるのか、足元がおぼつかない不思議な感覚を味わう文体だった。
他者から向けられた優しさに感謝しながらも、自分からは何も返せない。
生まれ育った地から逃げ出したくて、何ものにも執着せず、自分自身すら大切にせず、いつかこの世界から消えてしまいそうな危うさを感じながら、それでもどこかで少しでも幸せになって欲しいと思いながら読み進めた。
主人公の大切な人たちの名前はするすると序盤から明示されるのに、最後まで明かされなかった主人公の名前。
主人公がこれから辿る旅は、果たしてどこに辿り着くのか。
寂しくもあり、けれど少しでも幸せな瞬間が訪れると良いのだけれどと祈ってしまった。
Posted by ブクログ
宇宙人に本を読むことで得られる奨学金、また宇宙人が宝石を出して消えるなどとっぴな設定だが、物語は帰る家を求める少女の切実な思いに満ちている。宇宙人が生み出す宝石の煌めきが文章にも届くような透明で静謐な、そして愛と呼べるものも確かに存在する物語だった。
Posted by ブクログ
透明感のある孤独が始めから終わりまで満ちている小説でした。
主人公が出会う人たちが尊くて救われるのだけど、彼女はその人たちを選ばず、孤独であるにも関わらず本当に望んでいるものを見つけて旅立ってしまう。
その選択を間違っているとは思いたくない。
誰とも共有出来ない悲しみを抱えつつ誠実に生きることの尊さ。
自分の悲しみから目を背けないことは、人の悲しみにも目を背けないことなのだと思う。
自分の悲しみを優しく抱えながら、人が奥深く抱えている悲しみも大切に出来る人になろうと思う。
Posted by ブクログ
宇宙人のために本を読む仕事をしている瑠璃(るり)。彼女が出会ってきた人々について語った物語でした。
語り口に余計な起伏なく、あるがままに心情や思いを表現している様が、詩的な印象さえ受けて引き込まれる内容だと感じました。
星4つの評価といたしました。
Posted by ブクログ
最初はなかなか入り込めなかったけど、設定が気になって読んでいくうちにはまった。
主人公が出会った、あたたかい人たちがとてもいい。
その中でもりょうちゃんはほんとにあったかくていいやつだったので、別れはこちらまで辛くなった。けど、主人公が感じていたように、主人公がいなくなっても、きっと明るい未来をつかめる人なんだろう。
でもこんな別れ方をしたら、ずっと忘れられない気がするけど。
Posted by ブクログ
奨学金をもらう代わりに「宇宙人の店」で働くるぅちゃんを描いたSF作品。
宇宙人に声を聴かせて宝石のような物質をもらうという不思議な設定だけれど、文章が美しいので、個人的には文学作品にカテゴライズしたい。
どこにいても自分の居場所だと思えない、るぅちゃんの孤独や寂しさがシットリと伝わってくる。
るぅちゃん自身が誰からも大切にされていないわけではない。
愛情の受け取り方は、どうすれば育てることができるのだろう?
どんなに自分を大切にしてくれる人がいても帰る場所だと思えないことに傷つき、自分を責めるるぅちゃんの苦しみが、この先和らいでいるといいなと思った。
Posted by ブクログ
りょうちゃんの気持ちを思うと腹立たしかった.
話の展開からして、
どうせ別れるのだとは思ってたけど、
納得がいかない。
りょうちゃんの存在は、
地球に主人公を引き留める存在であってほしかった。
主人公の気持ちがわからない。
置いていく側の気持ちなんか知ったこっちゃない。
勝手に孤独がりやがって、と思う。
はたからみると、たくさんの人に思われていたくせに。それに気づいていたくせに。
恋愛小説ではないのに、りょうちゃん側に感情移入して号泣してしまった。
Posted by ブクログ
宇宙人に声を聞かせると
宇宙人が宝石らしきものをだす
ってとこだけ聞いて
好みに決まってる!って読んでみた
宇宙人、あんまでてこんやった
宇宙人、あんまでてこんくても
それに絡んだ部分がメインと期待してたので
なんか違う!!!ってなった
わりとあっさりした恋愛部分多め
もっと不思議感を期待してたので
勝手に想像してたこっちのせいだけど
不完全燃焼だった
自分にはできない選択をするとこは
ちょっとうらやましいなぁと思った
勝手に期待したしちゃったので
星はフツーの3つ