あらすじ
オーストリアでの暮らしを始めて、早十年。静寂と自由を求めて、さらなる田舎への引越しを決意。ようやく見つけたのは、築百三十年の農家を改装した小さな家。枯れた老木を撤去したり、果樹を植えたり、リノベーションをしたり。不便さを楽しみながら、豊かな自然と共に暮らす。自分の居場所を整える傍らで、日々の思いを綴ったささやかなエッセイ。
感情タグBEST3
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拝啓、中谷美紀様、お元気でしょうか?
という気持ちで、中谷美紀さんのエッセイを読むときは話しかけるようになっていた。
前作のエッセイから時が進み、まさかの転居を検討する中谷一家のお話が書かれる。瑞々しい中谷さんの文体と言葉選びはいつも心にキレイな風が吹くようだ。悪戦苦闘するなかでも美学を忘れずにいてこちらも背筋を正したくなる。
年齢を重ね、どうしても万全の状態での演技をするために日々のケアが必要で、ありのままが描かれているからこそ身近に感じ、芸能人だって人間なんだと当たり前のことに気付かされる。しかし、このストイックにケアし続け自分と向き合い、仕事をし続けることができるのも一つの才能なので、結局背筋を正したくなるのだ。
中谷美紀様、健康に気をつけてお過ごし下さい。と、読み終えて思いを馳せた。
Posted by ブクログ
中谷さんのオーストリア生活。
移民、変わってしまった住環境、戦争、継娘の成長、日本の伝統、クラシックやオペラ…
この人は本当に様々なことにお詳しいし、遠いと思っていた世界が意外と近いと教えてくれる。
ウクライナ人Aさんの話は悲しすぎすぎる…
この方のエッセイはずっと読んでいきたい。
Posted by ブクログ
知的で真面目な印象のエッセイ集。
・自身のお仕事の話。真摯に、身を削って仕事をされている。
ベストコンディションで仕事をするために、身体の維持と健康に気を遣っている。
・ウィーンフィルに所属するヴィオラ奏者である夫を持ち、演奏会やクラシック音楽の話も多い。
・夫の娘さん、つまり義理の娘Jさんとの関係にも、悩みあり、進展あり。
世界を飛び回っているが、本拠地のお住まいはザルツブルクの郊外の山荘。
・ザルツブルクはモーツアルトで観光収入を得ているというのも初めて知った。観光用に馬車がたくさん走り、馬車渋滞、排泄物が・・・まるで19世紀以前のようで驚く。日本では観光用といえば主に人力車ですよね!
・いくつかの外国に住んで、お国柄の違いを肌で実感するだけでなく、国の状況もとてもよく勉強した上での比較も語られている。
外国の人と関わるにはやはり、その国についてかなり理解していないといけないのだろう。
ユダヤ人の友人をドイツ人の夫に紹介する際に、とても気を遣って、無事に引き合わせてことなきを得た後、三日間も寝込んでしまったとのこと。狭い日本の中だけで暮らしている私には考えられない苦労だ。
・自身も異邦人である。移民の問題は大きな心配事。極右の政党が移民排斥を掲げ、支持を得ている。確かに、秩序が乱れたり犯罪が増えたりしているけれど、そう極端でいいのだろうかと疑問を抱く(日本でもある問題)
ーー多様性を容認し、開かれた社会を作ることと、秩序を保つことに矛盾が生じている。(引用)ーー
・日本は規則を守る人が多いが他人に厳しく息苦しい、これは外国暮らしをした人の本を読むと必ず書かれているし、国内にいてもそう思う。
どの国も一長一短といったところ。
・ちょっと辛口な意見を述べている部分もある。
本のタイトルが『大草原の小さな農家』なので、移住先の外国で農業を営む話が一冊丸ごとだと思って読み始めたのだけれど、ここからだった。
古い農場を購入し、売主の描いた夢を引き継いで、自然と共に暮らす事を決め、また、あまり不自由ではないように現代的な設備も取り入れるべく、現在は絶賛改装中ということだ。
丸ごと農場暮らしの続編もあったらいいなと期待している。
最後は華やかなオペラ公演の話題で締めくくられていた。
Posted by ブクログ
異国の地での暮らし、出会う人々、その中で思うことが深く考察されていて、自分も考えさせられる。中谷さんのような普段出会うことのない、自分と全然違う世界の人の生活や考え方を聞くのはおもしろい。
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女優の中谷美紀さんのエッセイ。
彼女の書く本を初めて読みましたが、なんとしっかりとした文章を書く人なんでしょう!
途中で「ええと、この本書いたの誰だったっけ?」と何度も思うほどでした。
他の本も読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
俳優・中谷美紀さんのエッセイが文庫化。
ドイツ人の旦那さんと継娘Jさんとともにオーストラリアに住み始めて早10年。
俳優業のため日本とオーストリアを行き来し忙しいなかでも、自然を慈しみ、心やさしい家族や親族、隣人、友人との日々のふれ合いを綴った作品です。
華やかなヨーロッパ文化に囲まれた生活の一方、昨今の世界情勢や人種差別といったリアルな困難にも直面している中谷さんのストレートな文章が、とても読みやすく、ネットニュースだけでは分からない事を知ることができます。