あらすじ
【内容】
権力の暴走を抑制し、政治の劣化を阻止する〈永続する政治体〉とは?
ポピュリズム、排外主義の蔓延、世の中を「いますぐ変えたい」願望の台頭。そして民主主義が機能停止しつつある、今。『人間の条件』と双璧をなす主著を徹底読解。その思想の核心を丁寧に掴み取る。
【著者プロフィール】
仲正昌樹(なかまさ・まさき)
1963 年広島生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。
現在、金沢大学法学類教授。専門は、法哲学、政治思想史、ドイツ文学。古典を最も分かり
やすく読み解くことで定評がある。また、近年は、『Pure Nation』(あごうさとし構成・演
出)などで、ドラマトゥルクを担当。演劇などを通じて精力的に思想を紹介している。
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Posted by ブクログ
仲正昌樹 ハンナアーレント 「革命について」の講義本。フランス革命とアメリカ革命の違いを 公的自由と公的幸福から考察しながら、革命の目的、成功の条件、憲法とは何か を整理
テーマ
*政治体制を崩壊させない→独立した法的権威
*人民に政治的関心を失わせない→評議会制
*ポリス(目的共同体)の「始めに犯罪ありき」に焦点
フランス革命
*目的は 貧困からの解放(社会問題)→政治の条件である自由の構築はない
*群衆=有機体→群衆を動かしているのは 一般意志→意見の多様性を排除→徳のテロル
アメリカ革命
*目的は 統治形態に対する不満→自由の創設
*アメリカ人にとって 公的自由と公的幸福が不可分
*アメリカ革命は 公的幸福が追求
革命
*新しい歴史の始まり→周期性と不可抗力性を持つ
*成功の条件=既存の権威の崩壊+取って代わる準備をしてきた党派の存在
*革命の目的は 自由の創設
憲法とは
*自由のための公的空間を構成するもの
*憲法を作成→国家体制と公的自由を一体のものとして構成
Posted by ブクログ
「全体主義の起源」、「人間の条件」につぐ、アーレントの主著の一つ。
哲学的な議論が中心の「人間の条件」に対して、フランス革命とアメリカ革命を比較しながら、具体的に議論が展開していく。
通常、アーレントの議論は、あれはダメ、これはダメで、色々なものを批判するのだが、そのオルタナティブは示されることはないが、ここで、ぼんやりながら、理想みたいなものが示される本。
という「革命について」への仲正さんの講義。
「革命については」は、アーレントの中では、具体性がある程度あることで、比較的、読みやすい本なのだが、この本を読むと結構、読み飛ばしていたな〜、と思うところはたくさんあった。
単純化すると、フランス革命は最悪で、失敗した革命。そのイデオローグといもいえるルソーも最悪。一方、アメリカ革命は素晴らしい!という感じですね。
これと同じような論調は、実はドラッカーもやっていて、どちらかというと保守系の論者は似たような議論は多い。
アーレント的な難解な言い回しはあるものの、「革命について」を最初に読んだときには、そういう議論と大まか同じようなものと読んでいたかな?
この解説本を読んで、改めてポイントが明確になった感じかな?
アーレントの議論の中で、なんだか理解しにくい、なんだか変なんじゃないかと思っているのは、公的領域と私的領域の切り分けのところなのだが、この「革命について」は、ある意味、「人間の条件」以上にその論点に集中した議論だったんだな〜。
あと、ルソーも読まなきゃ。
しばらく休んでいたアーレントとまた対話を始めようかな?