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Posted by ブクログ
1967年の宇宙条約に基づく月の商業利用禁止訴訟、NASAとの関係、思わぬ相手からの横槍、宇宙デブリの掃除、資金繰り問題、そして未だに見えないヒロインの本当の目的と、その背後にある父娘関係...
未知の存在を匂わせる形での終幕は、さらなる続編への期待も感じさせてくれます。
数々の課題をクリアしながら月面結婚式場の建設を目指す姿は、SFである一方で、極地での建設工事プロジェクトの記録のようでした。
Posted by ブクログ
数々の困難を乗り越え、月面基地は完成に近づく。
『第六大陸』は日本企業による月面開発の苦労話に終わっていない。月の地中からは謎の金属繊維質が発見されるし、怪電波が検出されたりもする。そしてラストでは、地球外知的生命体による巨大建築物が月面に現れ、その施工者が月に向かってきていることが明らかになる。
地球外生命体の存在がなければ、大風呂敷を広げるわけでもなく、SFとしてはまとまりすぎた小説になってしまっただろう。だがそれだけでも十分通用するリアリティが『第六大陸』にはあったと思う。残念ながらちょっとドキュメンタリーの人間臭さと、突如現れるスターロードの異質さとのバランスが取れてない気がする。第六大陸建設の描写には力を入れたのに、未知の施工者に関してはその実態を暴くことを放棄してしまっているような。