あらすじ
直木賞作家・小川哲が贈る、言葉の深淵に触れる一冊!
『言語化するための小説思考』をさらに深めたい読者にとって、まさに待望の内容になっています。
私たちは日々、言葉にできない「モヤモヤ」を抱えて生きています。
悲しいけれど、単純な「悲しい」とはどこか違う……
そんな正体不明の感情を、なぜ作家は鮮やかに言い当て、一つの感動的な物語へとつなげることができるのでしょうか。
その秘密は、決して魔法のようなセンスや才能だけではありません 。
本書の著者である小川哲は、それが「頭の中の組み立て方」にあると説きます。
小川哲が、14人のトッププロたちからその「手の内」を徹底的に聞き出し、私たちが日常生活やビジネスの場で今日から活用できる技術として体系化しました。
一般的な文章術の本が「正しい日本語」や「きれいな文章の書き方」を教えるのに対し、本書の焦点は「書く前の頭の動かし方」にあります。
・「あの感情」の正体を知る:名もなき感情に言葉を与えるプロセスを公開。
・日常を設計する:バラバラな出来事を「意味のある物語」へと変える設計図の書き方を伝授。
・多様な方法論:14通りの異なるアプローチから、自分に合った方法が見つかる。
超豪華な対談ラインナップ
PART1 何を書きたいのかは、こう見つける
中村文則、万城目学、飛浩隆、大森望
PART2 だれの目で見るかで、物語は変わる
高瀬隼子、尾崎世界観
PART3 バラバラの出来事を、物語に変える
葉真中顕、京極夏彦、呉勝浩、今村昌弘、佐藤究
PART4 伝わる文章は、こう書く
町屋良平、魚豊
この本を特におすすめしたい方
・自分の気持ちを言語化したい方:心の中のもどかしさを言葉に変えたいビジネスマンや学生。
・発信に悩むクリエイター:SNSやnoteで、ネタがまとまらずに悩んでいる方。
・物語の裏側に興味がある方:プロがどう世界を観察し、設計しているのかを知りたい方。
500ページ超えという圧倒的なボリュームで語られるプロの知恵。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『一人 小川哲さんフェア』の締めくくりにピッタリの一冊だった。
それぞれの小川作品のプロセスから、自分の解釈と小川さんの意図の答え合わせをしているようで楽しい。
小川さんは「どんな読者が自分の作品をどう読んでいるか」を論理的に分析している。
だからこそ生まれるギリギリ読者が置いてけぼりにならないぐらいの攻めた作品に、自分は強く惹かれる。
対談で読んでみたくなったのは、佐藤究さんの『テスカポリトカ』。でも、テーマを知ると自分には無理そうで悔しい。
中村文則さんの『列』も読んでみたい。
ちょうど読んだばかりだったテッド・チャンの『息吹』に触れられているのも嬉しかった。
また、葉真中顕さんが語るファミコンの懐かしいゲームに関する話題も。
確かに物語性があるあの殺人事件ゲームは大きな衝撃だった。
子ども時代にあのゲームへ没入したことが、物語を体験する楽しさと、ミステリの魅力を知るきっかけだったのかもしれない。
今思えば、あの時の没入体験が今の自分の読書スタイルにもつながっている気がする。
印象に残った話はたくさんあるけど、特に小川さんが語っていた、
・「純文学作家のキャリアとサッカー日本代表の共通点」
・「本格ミステリを読む人と純文学を読む人では、作品を読むコードが違う」
という話は、どちらもなるほどと面白かった。
これですべての小川作品を読み終わったので『一人 小川哲さんフェア』も終了。
今は、どの作品をBEST3にするか、贅沢な悩みを楽しんでいる。
Posted by ブクログ
自分にとっては最高のブックガイド。出てくる小説全部読みたい。小分けに読んで最後の魚豊さんが一番残っているのでそれに寄せると、これまであまり小説を読んでいない自分が物語(「ストーリー」の方)を読むとき、自分の仕事とリンクさせながら読むものと、引き摺られるように読むものとざっくり2タイプあり、小川さんは前者なので前者の紹介が多いかと思いきや、オーディブルで聴き始めた「テスカトリポカ」は完全後者なので、これが一流の読者ってことなのか〜とアツくなっている今
Posted by ブクログ
小説家•小川哲×小説家(と漫画家)の対談集。
小説家の創作手法や思考回路が面白い(時に難しい)。小説家を目指す方は読んで損は無いと思う。どんなことから書き始めるか?無意識をどう使うか?読点をどう使うか?など、小説を書くためのヒントが随所に散りばめられている。
様々な小説家と対談しており、読者によってハマるゾーンは十人十色だろう。私の場合は今村昌弘さんとの本格ミステリ談義と、葉真中顕さんとのゲーム談義がストライクゾーンだった。
また、エッセイとは?純文学とエンタメの違いは?特殊設定とは?など、もやもやしていた本のジャンル分けに一定の解を提示してくれてすっきり。
小説をラーメン屋に例えたり、エレベーターからケント•ギルバートを空想したり、小川さんらしい思考の飛躍が相変わらず独特で楽しい。小説をスキージャンプに例え、飛距離だけでなく飛型点も考慮に入れる考え方には共感。「終わりよければすべてよし」ではないんだなー小説って。最も共感したのは、漫画連載と小説連載の違いについて語った小川さんの一言。思わず吹いたが切実過ぎる(苦笑)
ブックガイドとしても有効。本書で語られていた数々の本(特に下記)を読みたくなった。というか少なくとも小川哲作品はある程度読んでおいた方がベター。さて、私はどれから読もうかしら…
小川哲『ゲームの王国』『地図と拳』
中村文則『掏摸』『去年の冬、きみと別れ』
尾崎世界観『転の声』
古川日出男『アラビアの夜の種族』
佐藤究『テスカポリトカ』
東山彰良『流』
深木章子『欺瞞の殺意』
呉勝浩『おれたちの歌をうたえ』
Posted by ブクログ
小説家の小川哲氏が様々な作家たちと自作品や課題として挙げた作品をもとに話した対談集。作家として作品に対する見方や考え方、創作に際しての方法論などが語られており、対談している作家のファンはもちろん、小説が好きな人も楽しめる内容となっている。
個人的には万城目氏との対談が印象深かったが、読む人によって答えは異なるだろう。
全体的に特定の作品に対する語りが多いため、対象物を未読の人は話の実感がわかず、退屈に感じるところもあると思われる。ただ、そういった点も含めて新鮮味を感じる話が多かったので全体としては楽しめた。
Posted by ブクログ
興味のある部分だけ読んだ。(PART1とPART3の京極以降)
コロナ自粛前の時点では、小川・万城目ともに自身の直木賞受賞という未来は見えてなかったんだな、というのが面白いところ。
まぁ、個人的には小川哲の作品(ユートロニカ、ゲーム、クイズ)は「刺さらなかった」のではあるけど。(火星とスメラミは積読状態)
Posted by ブクログ
本格推理とSF、ファンタジーが苦手なのにこんな本を手に取ってしまった。小川哲氏といろいろな作家がいろいろと話している。
呉勝浩氏との対談で「本格ミステリーを読んでいる人と純文学を読む人のコード」は全く違っていて「両者の脳みそを作るのはかなり難易度が高い」と指摘していて、やっぱりしかたないのかと納得。
町屋良平氏が「自意識過剰って、その状態は恥ずかしくないけど、言われると恥ずかしい」と芥川賞受賞作について語っていた。
苦手なジャンルというのはやはりどうしようもないもので、これからそんなにたくさんの本を読めないのだから、おもしろいと感じられそうなものを選んでよんでいくしかないのかなと思ってしまった。苦手なものを克服しようとしたところで、わからないものはわからないということをわからせてくれる本でした。