【感想・ネタバレ】「死んだほうがいい」が問いかけるもの 安楽死をめぐる言葉をたどるのレビュー

あらすじ

「こんな状態なら死にたい」「迷惑をかける人は死んだほうがいい」――難病等を理由に自ら死を望むことと,障害者や高齢者に他者が死を迫ることがともに「安楽死」という言葉で語られる.その背景には,何があるのか.死を望む人の根底にあるものをたどり,どんな状況にあろうと,誰もが肯定されながら生きるための言葉を探す.

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Posted by ブクログ

私自身は「尊厳死(終末期患者に過剰な医療を施さない)」には賛同していますが、「安楽死」に対しては保留中です。苦しまずに自分で自分の人生を終わらせられることには、凄く魅力を感じます。魅力的だからこそ怖いです。皆が流されて行くのでは? この本を読んで安楽死を「死にたい人は死ねばいいし、生きたい人は生きればいい」と乱雑な言葉で片付けて良い問題では無いということが良く分かりました。まずは個々人が自分の中に無自覚にある差別(自殺者に対する差別含む)を自覚してから、安楽死の議論を始めるべきなのではと思いました。

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2026年08月23日

Posted by ブクログ

相模原障害者施設殺傷事件、京都ALS嘱託殺人事件などの記録を詳細に読み解き、安楽死問題について賛成・反対の両方の立場から丁寧に議論されている書籍。本書を読む前は、私は安楽死賛成だった。100歳を超える方が増えている世の中、子供も姪や甥もいない自分は正直生きていても・・と思っていた。でも本書を読んだ後では、生きていてもいいかなとも思う。いくつかのフレーズがその気持ちの変化を生んだ。一つは安楽死賛成の人が考えていることは実は『死ぬ権利』ではなく『死ぬ義務』だという指摘。今の日本はかなり自己責任論が強い。安楽死を考えている人も権利と思っているかもしれないが、実は迷惑をかけてはいけないという義務の気持ちもあるんじゃないかなと思う。もう一つは最後の方で、『生き恥』や『死にぞこない』、『犬死』というような言葉で表現される生や死にも、命の輝きが確かにあり尊厳をもって扱われるものである、との記述。きれいに生きなくてもいいんだなと思った。

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2026年08月12日

Posted by ブクログ

興味のあるⅠの章を読みました。 

『私の夢はスイスで安楽死』を上梓した、くらんけさん、
『死にたい気持ちが消えるまで』の作者、豆塚エリさんの話を知り、非常に胸が締めつけられました。

有吉佐和子『恍惚の人』も引用されており、とても気になる作品です。

どの作品もチェックしようと思います。

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2026年06月29日

Posted by ブクログ

安楽死について書かれた本。死にたい辛さから逃れたい人、戦いたい人、家族から疎まれ死んでほしいと思われている人、津久井やまゆり園の加害者の思想、すべてを1冊にまとめるのは難しいと感じた。そのため著者が結局一番伝えたいことが薄れたイメージ。自殺幇助と殺人は違うし、日本で言われる尊厳死も曖昧な説明なのでこのジャンルの本を初めて読む人は混乱しそう。慢性病と一括りにしても痛みを解消するすべが現代でも無く死に至る病でもない人が安楽死を望んでもいいと個人的には思う。

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2026年09月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「死んだほうがいい」そういう空気を感じることが世の中に増えてきた気がしていたところにこのタイトルだったので手に取り。
相模原障害者殺傷事件から10年ということで関連本を先日手に取ったのですが、はからずもその後手に取った本にもその事件のことが書かれていて、さらに知らずに手に取った本書にもその事件のことについて章立てされており、偶然と考えたらちょっと怖いので、多分ですが自分の関心事の周辺にはこの事件の根本に通じる問題があるのだなと気付かされたという風に考えました。

読み始めてまず気になったのは、尊厳死と安楽死を区分けせずに語られだしたこと。読んでいてところどころ引っかかりました。
最終章の注で尊厳死について触れ、終章の冒頭であえてそこを定義しないことを意識して書いてきたことがようやく明かされました。本書の中で語られてきた安楽死の分類をここでするにあたり尊厳死との違いに触れないわけにはいかなくなったのでしょうか。著者の考えであえてそうした構成にしたことはわかったのですが、自分はここはむしろ最初に持ってくるべきだったのではと感じました。

相模原障害者殺傷事件についてかなりの分量を割いて考察しています。
かなり詳しく被害に遭われた利用者の方々のことを書かれていて読み応えがあり、この部分だけで別冊にしたほうが良いのではないかと思いました。
犯人が本来の意味合いと違う、勝手に持ち出した安楽死という言葉からの繋がりと言葉が話せないと認識された障害者の方々が殺傷されたという事実からこの事件を安楽死と絡めて取り上げていますが、自分はこの取り上げ方に違和感が拭えませんでした。
殺傷された方々が安楽死を望んでいたわけではないからです。
その意味でもこの部分の考察は別の本にしたほうが良かったのでは、むしろ別の本で読みたかったと思いました。

他に心に留まった文を数カ所。
安楽死希求を考えるにあたっては、現在の障害や難病の症状に注目するだけではなく、当人の成育史も踏まえて、その思いがどのような背景から立ち現れてくるのかも考慮しなければいけない(p118)
私たちは、自殺や安楽死を自己決定や自己責任だけで済ませてはいけないのではないか(略) ルサンチマン(怨念 ・残した思い)にまで思いを致すことが、残された私たちの未来にとって大事なのではないか(p139)
「自ら死を選ぶ」ことが本人にとってなんらか自身の尊厳を保つための行為であるという側面があることは踏まえておくべきことだと思う(p263)
近年医療現場では、生死に関する患者の自己決定の尊重と医療者の中立的姿勢がよく語られる。しかしその語りは、しばしば「生を選ぶか死を選ぶか、患者さんと家族さんとでどちらかに決めてください(そうしたら 医療者は責任を問われずに治療を継続したり中止したりできます)というように聞こえる (p281)
どの文章にも深く考えさせられます。

終章の中で語られた著者の考えには自分は共感できないところもありました。本書は共感を求めるために書かれたものではなく、広く関心を持ってもらうことを目的として書かれたものでしょう。

これまでに世にあったような自殺に関する本とは違う視点から考察されている点は「死んだほうがいい」について読んだ人がそれぞれに考えを深める材料になるのではと感じました。
本書を評価する人としない人はくっきり分かれる、気がします。

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2026年08月31日

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