【感想・ネタバレ】ここはこどものいない国のレビュー

あらすじ

家族を捨てた「集落育ち」×家族に憧れる「工場育ち」
常識も愛し方も全く違う。それでも、そばにいたい。

2226年、人間は工場生産され、人口を完璧に管理できるようになった日本。
愛玩赤ちゃんPB生産工場で働く美奈子は、家族育ちという出生の秘密を抱えていた。母親から生まれ、手作りの料理を食べ、集落で育った美奈子は、世間からは「自然派」と忌避される存在だった。「お母さんはどうして私を産んだの。私、生まれたくなんかなかったのに」そんな美奈子の職場に、新たに後輩がやってくる。彼女は言った。「私、妊娠してるんです」その出会いが、美奈子の人生を一変させる!

もしも工場で子どもが生産されたなら、もしも成長しないペットベイビーが存在したなら、出産という行為は他社からどう見られるのだろう?そんなふとした疑問から書き始めた小説です。(著者)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんかこれまでの武田綾乃さんとはガラッと違う感じで戸惑いながらも一気読みだった。
三代欲求の負担がなくなるとすんごい人生の時間が増えるし色々楽になるよなと思うし、出産子育てなくなるのもものすごく凄まじく楽なんではないのか、とは思う部分がどうしてもあるので興味深く読みつつ…
食べ物とかはわたしは栄養が全部詰め込まれた豆ひとつ食べたらそれで済むならありがたいなと思うとこもあるのでそれでいいし睡眠補助もしてもらえるならありがたいなと思うんだけど、生殖に関しては、どうなんだろう。
斎藤工さんが子供を産むドラマを昔見て、男性が出産子育てしてくれるならめっちゃ楽!と思ったのを思い出した。
でも、母曰く出産ほど幸せなことはないらしい。
こればっかりは経験しないとわからないからわからない…。
けど、ペットベイビーは、いたら育てたい人いっぱいいそう。でも、人が赤ちゃんのまま育たずに死ぬことに、人間は耐えられるのだろうか。
なんか不気味だなと思ってしまった。動物ならいいけど人間の姿でそれは不気味と思うのは、これもまたそういうもんだから、という思い込みなのだろうか。
いずれにしても人間てのは環境に順応して生きていく生き物なので、そんな世界ならそんな感じなんだろうなと思いつつ、たぶん機械生まれたちは、自然派に憧れるんじゃないかなぁ、リアルだと。と思った。
武田綾乃さんはお子さんを出産してこんなお話を書かれたのがどんな思考回路?と思った。
でも、美奈子が赤ちゃんを愛せそうでよかった。
んー、それにしても機械生まれだと人間より標準スペック高めなんですね。

0
2026年07月07日

Posted by ブクログ

面白かった。ディストピア×シスターフッド。自分も「こども」を持つということに対して抵抗があるタイプなので主人公の視点で見る世界はすごく興味深かった。PBの普及が実際に行われたら、救われる人っていうのは一定数いるんじゃないかな…?あと、作中で登場した「自動身体洗浄機」。切実に欲しい。

0
2026年06月28日

Posted by ブクログ

くぅぅぅ、こうなってしまうのか2226年の日本よ。でも、間違いではない。だってタイパとコスパと物価上昇、子育てがバツゲームようなこんな社会で、誰が子どもを育てたいのよ。わたしは2026年でも子供を持つ意味を理解できないけど、子供を持つ意味が「世話をする対象が欲しい」「国力を維持するため」なら、この世界で成り立った、優生遺伝子同士を掛け合わせた素晴らしい子供を工場で量産する形とペットの赤ちゃん(決して泣かない、世話の必要も最低限で可愛い)でいいんだもんね。

同性婚もOKになり、学習舎とよばれる養育施設で子供はまとめて育つことで「子どものいない国」になった日本。三代欲求も克服した社会。何を楽しみに生きていくんだろうか。問われている気がする。

0
2026年07月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

3大欲求を克服した、今から200 年後の2226年。
人は工場生産されるのが当たり前で、自然出産を選択する地方の一部の集落の人々は「自然派」として遠巻きにされている。
主人公の美奈子は自然出産で生まれたが、母との確執から東京へ上京。むしゃくしゃする度に、契約社員として働く会社で、作り損ねた廃棄PB(ペットベイビー)を密かに盗んでしまう。
そんな日々を送る中で、正社員としてやってきた新人から、「私、妊娠してるんです」と打ち明けられ…。



単純に、世界中の人がそれを常識とすれば、まかり通るのが世界なのか。
ならば200 年も経てば、ぞっとするようなこの物語の世界も、現実になるかもしれないな。



「恨みも憎しみも知らない。ただ親の愛だけを一身に受けた、老いを知らない愛玩動物。
ーーーおかあさん。
ーーーわたしいがいをあいさないで。
歯の生えることのないその口内には、無邪気な闇が広がっていた。」

母の葬儀の為に帰郷した夜、ふとした事でPB北斗と2人きりになった時の衝動が強く印象に残る。


「大人しくて騒がない、自分達に都合のいい生き物に対しては、社会はきっと親切だ。だがそれ以外の存在は、罰して良い存在として片付けられる。だって、存在が迷惑だから。」

混み合う地下鉄内で泣き叫ぶ赤ん坊に対して怒鳴りつける男性。
そして、庇いはしてくれるが、他人に迷惑はかけるなと釘を刺す女性。
200年経とうと、こどもが工場で生まれるようになろうと、PBという奇妙な愛玩動物がスタンダードになろうと、根本的な人の心は変わらないのだなぁ。

でも最後の最後で、電子端末からの連絡は、良い知らせの方だったと信じたい。
愛って、温度ですよ!と教えてくれた彼女に、我が子のあったかさを感じる未来をあげたいって思うラストでした。

0
2026年07月11日

Posted by ブクログ

2226年、人間が工場生産され、成長しない愛玩赤ちゃんPBが飼われる日本。突飛な設定なのに読むほどリアルで背筋が冷える。完璧に管理された無機質な世界だからこそ「愛って温度ですよ」という言葉がじわりと沁みた。そして「子どもを持つことは罪ですか」——この問いが200年後ではなく今の私たちに向けられていることが一番恐ろしい。常識も愛し方も違う美奈子と伊藤が、それでもそばにいようとする姿に胸を掴まれた。

0
2026年07月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

工場出産が通常になった世界で、自然出産で生まれた美奈子と、妊娠出産を選択した伊藤さんのお話。
少子化が突き進んだ社会の、近未来なお話。

怖いお話だったな、、、
この後、伊藤さんは目覚めるのか?
美奈子はちゃんと子育てしていけるのか?
三大欲求を克服した人類。
生きてて楽しいのか?

これがディストピア小説ということであれば、今現在、終末に片足突っ込んでるよね、もうすでに。

「ここは こどもの いない国」というフレーズが絶望的に響いた。

0
2026年06月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とっても読みやすかったし設定も面白いしストーリーも良かったと思う!
読み終わった後に子どもを産むということが尊いことのように感じられた。
結婚についてや、ペットと子供の違い、PBへの嫉妬…などなるほどと思った。
お母さんが作ってくれたクッキーを泣きながら食べる気持ちが痛いほど伝わってきた。
お母さんが良いと思ってやってくれていることが裏目に出てしまう、お母さんのせいで!という気持ちとお母さんの愛情を感じてぶつけようのない悲しさを感じた。学校に通う子供にとっては学校が全てだからね…
最後の電話がお願いだから良い電話でありますようにと願わずにはいられなかった。
美奈子と伊藤さんとの絡みが好きでした。

ひとつ疑問だったのが、なぜ美奈子は上手く受精卵になれなかった破棄されたペットボトルを定期的に盗んできてしまうのか…

0
2026年06月18日

Posted by ブクログ

人間の子供が工場で生まれるのが当たり前になった未来の話

合理性で結婚や出産を判断する現代日本への警鐘

生きるとは、人間であるとは、子孫を残す意味とは

0
2026年06月17日

Posted by ブクログ

この世界が現実なのかと錯覚するほど、世界観が作り込まれていた。ちょっとこの世界を本当に見てみたいと思った。
生きるとは?産まれるとは?産むとは? 現代でも問われるテーマだけど、視点が違うはずなのに、答えは変わらないんだなと考えさせられる作品だった。

この後どうなったのか、美奈子がどう生きていったのか、とてもとても気になった。

0
2026年06月14日

Posted by ブクログ

「響け!ユーフォニアム」の著者が描く
ディストピアものってどんなだろうと
興味をひかれて手にとった本

200年後、人間の三大欲求を克服した時代を描く
手料理を食べてる人は上流階級のごく一部
薬により睡眠は1時間〜3時間で事足りるように
男女間の営みなんて、昔の小説に
出てくるレベルで一般人は知識もない時代

ディストピア小説は、現存の価値観や
固定概念を一旦全部フラットにしてくれるから、
思考がもう一段階、全面的に押し上げられる
感覚が味わえて好きなんだよね

​価値観や常識は、単に大多数が支持している
というだけで絶対的なものではない
時代や環境の変化で少数派に転じれば、
その評価は180度変わり得る
過去の常識が現在のタブーであるように、
今の当たり前も数百年後にはどうなっているか
全く分からない
そんな時代を超えた価値観の変遷に、
深く考えさせられた

​ディストピア、シスターフッドものと
銘打たれているが、設定に埋もれない程の
明確な一つのテーマが輝いていた
「命とは何か」そんな命のありようをも
問いかけてくる作品だった

0
2026年06月12日

Posted by ブクログ

設定が面白かったです。
無知による無意識の悪意は現実世界にも蔓延ってますよね。

最後はみなさんはどう捉えましたか、と読後に話したくなります。
普通に考えるならそういう意味だけど、深読みするなら…。

良くも悪くも血の繋がりは断てないのだと感じました。
あの赤いマフラーはすなわち臍の緒なんだという気がします。

0
2026年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

両親には兄弟姉妹よりも自分を見てほしい、家族から愛されたい、兄弟姉妹の中で「上の子」であるべき、「下の子」であるべき、友達の家が羨ましい、友達の家よりも自分の家のほうが好きだ。現代ではきっと誰もが持ったことがある感情。
自分だけが抱いてるってコンプレックスも含め、その感情にがんじがらめになった美奈子と、
それとは無縁で生きてきて、家族に憧れる伊藤の話だった。
この時代の人って社会に出るまで兄弟姉妹とか先輩後輩みたいな上下関係と縁がうすそうだから、伊藤がそういう面で未熟に感じた。美奈子に大好き大好きしてる感じが。

0
2026年05月31日

Posted by ブクログ

デストピアによくある設定で「工場で生まれてくるこども」があるが、そこに加えて愛玩動物的な「人間の赤子」という存在がミソ。なるほど、この設定は新しい。

こどものいない国。現代のようだし、「こどもがいない国」ではなく「こどもしかいない国」ではないのだろうか。誰も育児をしないし、こどもに関わらない世界の「大人」ってなんなのかな。工場を出たら大人なのかしら。

主人公は反出生主義のようで、登場自分たちの中で一番命の誕生と成長の過程を大切にしている。本人はけっして認めないだろうけど、きっといい親になるだろう。

0
2026年07月18日

Posted by ブクログ

人間が工場で生産される2226年の日本で、自然妊娠で生まれ家族を捨てた美奈子と、工場生まれで子供を産みたい伊藤を描いた作品。

「人間が工場で生産された未来」という設定に惹かれて手に取った1冊。

人間の3大欲求がコントロールされても、人間の庇護欲は残されているというのが面白い。

成長しない、泣かない、排泄の世話も日に2回でOK、ミルクも自分で飲む、品種改良されたペットベイビー。

庇護欲を満たす存在であるPBが、赤ん坊の手間がかかる部分を排除し、愛らしい存在を極めているところに、人間が欲を満たすために生きている動物だということを表している気がする。

妊娠・出産が罰ゲームのようになってきている現実世界も、これから妊娠・出産をしなくてよい世界を目指す可能性もあり得る、と思った。

作中で「マジョリティに合わせて効率化された社会」と表現されているが、現実世界もどんなに多様性と言っても社会はマジョリティに合わせて作られていて、最小のコストとエネルギーでなるべく多くの人を一定レベル以上の生活にすることを目指しているからだ。
(それが良い・悪いという観点ではなく)

一見ディストピアのように見えるこの作品だけれど、考えようによってはディストピアとも言えないのかもしれない。

0
2026年07月15日

Posted by ブクログ

ここは約200年後の日本。それは子供のいない国。
本作で描かれている世界では人間が三台欲求を克服し、全てが効率化され、無駄を省いた生活を送っている。そんな世界で流通しているのが赤ちゃんの見た目をしたペット。通称PB(ペットベイビー)
しかし、本能に従い自然出産を望む人々も描かれている。便利になれば幸せなのか?無駄を省けば身軽になるのか?そうではないですよね。
不便だから工夫し、助け合って生きていく。無駄な動作=不必要とは限らない!
進化を望めば、人の温かみや幸福度を失う。本末転倒な気がしますが、求めた先に冷徹な未来が待っているとしたら僕は今のままの生活が続けばいいと思う!

0
2026年07月13日

Posted by ブクログ

愛は温度という言葉を大切にしたい。
人の命は儚くて脆く美しい
自分の好きな人たちを大切にしたいと思えた。

0
2026年07月06日

Posted by ブクログ

人間が工場で生産される2226年の日本。安定と引き換えに三大欲求を失った社会で、自然出生を望む人々を描く。

人が集まって社会が形成されたはずが、社会を維持するために人をモノ化している未来像。かわいいだけのペットと化した「赤ちゃん」が恐怖。
徹底して不安定さを排除した近未来では、妊娠や育児、手料理等は「異常」とみなされる、という視点に価値観を揺すぶられる。言われてみれば…?が続く読書体験でした。

実際は、人間生産が続けば「正解」が淘汰されて似たような人ばかりになり、社会/生物として弱くなって破綻しそう。人口に合わせて社会の在り方の方を最適化していく今が正しい。
理不尽に翻弄されながらも「人間らしく生きる意味」を考える主人公。バッドENDに向かう社会を見守るような、なんとも言えない読後感でした。

0
2026年07月04日

Posted by ブクログ

思考実験としては面白い。現実味は薄い。生物として絶滅するほうがありえるように思う。生きてる意味あるのかなぁ

0
2026年06月30日

Posted by ブクログ

AIの進歩により暮らしの部分では未来的にこんな世の中になっているのでは?と現実的に思えてしまいました。出産する環境によって子供の人生が違ってくる事になってしまう世の中は怖いと感じました。

0
2026年06月28日

Posted by ブクログ

人間の三大欲求(食欲・性欲・睡眠欲)を克服した近未来ディストピア小説。
ディストピアというと希望がない世界のように感じるが、最後にひと筋の希望をいだかせてくれる小説だった。

人間の「工場生産」という設定がちょっとマトリックスっぽいけれど、地方と東京、「自然派」と呼ばれる人たちのコミュニティ設定など、なかなかリアルで200年と言わずもう少し近い未来にこうなっているのでは?と思わされる。

時系列が若干複雑で、過去と現在がいったりきたりするので少々読みにくいところがあるかも。

200年後の日本は一体どうなっているのだろうか...。

0
2026年06月28日

Posted by ブクログ

舞台は2226年、200年後の東京。

三大欲求(食欲・睡眠欲・性欲)が制御可能となりペットベイビー(PB)と呼ばれる愛玩赤ちゃんが工場で量産される世界が描かれる。

読み進めるほどに、背筋の奥が冷えていくような感覚に襲われた。

令和の今でさえ、ネットの普及によって便利さと引き換えに何かを失っている気がするのに、この無機質な未来世界には思わずゾッとしてしまう。

手がかからず、従順で、都合よく作られた赤ちゃんを育てる姿は、大人のエゴにしか見えない。

欲望や感情に揺れながら生きることこそ人間らしさの根幹なのだと強く感じた。

0
2026年06月23日

「小説」ランキング