【感想・ネタバレ】あるコンテナ船の物語 資本はいかに世界をめぐるかのレビュー

あらすじ

ハーバード大学の歴史学者がある船舶の生涯を通じて描く、グローバル資本主義の光と闇

70年代にスウェーデンで造られた一隻の船。それは、市場の要求に応じて、フォークランド戦争時の英国軍兵舎、ブロンクス沖の水上刑務所、自動車工場の労働者用仮設住宅……と様々に変貌してきた。その数奇な運命を追うことで世界経済全体を語る独創的な歴史書

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Posted by ブクログ

あるコンテナ船(自走する船ではなくて、引っ張ってもらう船)の一生を追った本。
ある「人」の一生を追ったノンフィクションはあるけれど、「船」の一生を追っているのは珍しいかも。


この船は「何かを運ぶ」ものではなく「海上に浮かんでとどまるもの」として使われてきた。
ある時は、石油採掘の作業員の宿舎、自動車工場の作業員の宿舎、水上刑務所など。
住居を建設するよりも、一時的な寝泊り場所としてこの船を海上におく方が効率的。土地の問題も解決できるし、その土地の住居に関する法律(防火基準など)が海上だと届かない。
なるほど、居住地として船を使うことにはそんなメリットがあるのかぁと納得の反面、実際に住んでいる人たちにとっては過酷だったという。
ただそれも、刑務所として使われたときには、受刑者には喜ばれていたというのがなんとも皮肉。

また、そもそもこの船が作られた理由は税金対策だったり、税金の安い国にペーパーカンパニーを作ったりと世界的な税金対策に使われているところも面白かった。


以下メモ
割れ窓理論
軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論。
1980年代中盤のアメリカでは、この理論に基づきとにかく逮捕、収監していたため刑務所が足りなかった。

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2026年06月28日

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