【感想・ネタバレ】在日韓国・朝鮮人 若い世代のアイデンティティのレビュー

あらすじ

さほど問題なく日本社会に適応しているかのようにいわれる在日韓国・朝鮮人の若者は、実際には、その多くが成長の過程で日本人側の偏見と差別にぶつかり、アイデンティティの葛藤を体験している。だが、彼らの存在と意識は、実に多様化し揺れ動いている。本書は、二世・三世と呼ばれる人々の聞き取り調査を通して、民族問題とそのアイデンティティを考えるとともに、日本社会の構成員としての九〇年代の「在日」の生き方を模索する。

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Posted by ブクログ

日本社会で「コリア系日本人」という概念は成立していない。彼ら/彼女らはあくまで「在日」である。なぜか。日本語で「在米」「在ブラジル」などというときそれらはその国への一定の滞在を意味する。移民などによりその国に定住し、国籍などを取得すれば「日系アメリカ人」「日系ブラジル人」と呼ばれる。それなのに、母国の文化以上に日本の文化を内面化している韓国・朝鮮籍の若者たちをあくまで「在日韓国人・朝鮮人」と呼び続けることには象徴的意味がある。彼らの存在の現実とは別次元で日本社会の一般的構成員のコンセンサスとして、彼らはいつまでも“仮住まいの非定住者”にすぎず基本的な部分で文化を共有しているにも関わらず、彼らを“純粋な非日本人”の側に押し出す、無意識の共同主観的メカニズムが働いているからである。

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2016年01月12日

Posted by ブクログ

体系的に在日韓国人の心情が整理されている。
二世・三世と言われる在日韓国人に対して、インタビューしたものを総まとめしている。僕がイマ最も会話したい人々とのインタビューが取り上げられていた。
結論としては、「共生する社会の創造」が著者の意見だった。ここには、僕も共感する。僕は、「人類皆兄弟」という考え方で生きている。ケンカや揉め事が嫌い。カルチャーギャップが楽しくて色んな人種の人達と絡むのが好き。 だから色んな人達と共生したいという考えがある。共生するためには、お互いを受け入れあって生きていくのが望ましい。そのために、「韓国併合」、「強制連行」、「創氏改名」などの歴史をしっかりと勉強することが大切である。

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2010年04月30日

Posted by ブクログ

・在日○○という呼称は本来仮住まいの際に使うものである。
そしたら、「日本人」を「在日日本人」と呼ぶよりも「在日コリアン」を「コリアンジャパニーズ」って呼ぶ方がいいのではないか。
・渉外婚姻(いわゆる国際結婚の法律用語)
・「中国は少数民族に対して日本のような抑圧的な政策をとっていない。」本当?
韓国では冒頭のR音を発音しない。北朝鮮では発音する。
ex)李→イ

差別の問題に解決策なんてないんだろうけど、だからといって「行動することが意味になるんだ」ってのも違う気がする。

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2012年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
さほど問題なく日本社会に適応しているかのようにいわれる在日韓国・朝鮮人の若者は、実際には、その多くが成長の過程で日本人側の偏見と差別にぶつかり、アイデンティティの葛藤を体験している。
だが、彼らの存在と意識は、実に多様化し揺れ動いている。
本書は、2世・3世と呼ばれる人々の聞き取り調査を通して、民族問題とそのアイデンティティを考えるとともに、日本社会の構成員としての90年代の「在日」の生き方を模索する。

[ 目次 ]
序章 「日本人」と「非日本人」
第1章 「在日」の歴史
第2章 「在日」の現在
第3章 「在日」若者世代のアイデンティティ状況
第4章 共に生きる―民闘連の若者たち
第5章 在日同胞のために―在日韓国青年会の若者たち
第6章 在外公民として―朝鮮学校卒業の若者たち
第7章 一個人として―自己実現を追求する若者たち
第8章 日本人になりたい―帰化する若者たち
終章 共生社会の実現のために

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月06日

Posted by ブクログ

日本は厳密に言えば「多民族国家」である。ということを、知っているようで知らない人は多い。侵略の悲しい歴史の犠牲者として母国と祖国のハザマで揺れ動く人たち。他者を排除し、共生の道を進もうとしないこの国の根底にある法思想の正体っていったい何なのか。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

もう初版は20年近く前になるので、そういう前提で読めば、それなりに興味深い内容です。

できれば、同じような内容でここ数年に書かれたものがあると比較できてなお価値が上がると思います。

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2012年09月17日

Posted by ブクログ

すみません、すみません、在日韓国・朝鮮人の方を差別したり苛めたりした経験も、それを目撃した経験もなかったもので、この問題(?)に関する知識や見識を深めてこなかった。著者により在日二世、三世の生の声が興味深いし、4つのタイプ「祖先志向」「共生志向」「個人志向」「帰化志向」への分類は分かりやすかった。

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2011年01月21日

Posted by ブクログ

日本にはたくさんの在日韓国朝鮮人がいる。この本にはたくさんの事例が出ているが、彼らの本当の姿はこの本だけには収まらないくらい多々な人間模様があるのだろう。英語で在日韓国朝鮮人は、Korean in Japan です。

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2009年10月07日

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