あらすじ
オリンピックで華々しい活躍をし、当然プロ入りを期待されたが、ある理由から野球を捨ててしまった投手・藤原雄大。8年後、30歳を過ぎた彼は、突然、ニューヨークのメジャー球団に入団する。あの男ともう一度対戦したい! その悲願のためだけに……。一度は諦めた夢を実現するため、チャレンジする男の生き様を描くスポーツ小説の白眉。第13回小説すばる新人賞受賞作。
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Posted by ブクログ
これまで何作か堂場瞬一氏の野球小説を読んできたが、彼のデビュー作がメジャーリーグを舞台にしているらしいとのことが最初に読んだ「ミス・ジャッジ」の解説にあったので、取り寄せて読んでみた。
(この後ネタバレ注意)
大学3年生の時にソウルオリンピックの野球の日本代表チームでピッチャーとして活躍した主人公(話の中でこの時のチームメイトである野茂の名前などが出てくるあたりが現実味を帯びさせる)は、バルセロナでも活躍するが、その後家庭の事情で全盛期に引退。実業団のチームのコーチをする。
8年後、家庭の問題も一区切りし、単身大リーグに挑戦する。
主人公が所属するチームはフリーバーズという新球団で、本拠地はニューヨーク。オーナーは日本のベンチャー企業で、日本人とアメリカ人の確執などがあるなかで、主人公がマイナーからメジャーへと上がり、実績を残すというサクセスストーリーで、読んでいて気分がよかった。
主人公が所属する球団以外は実際の球団や有名なプレーヤーが出てくるので、読みながらメジャーリーグの試合が浮かぶようなリアリティー溢れる内容だった。
大満足。
Posted by ブクログ
堂場瞬一のスポーツ小説最高ですね。ハッピーエンドのベースボールストーリーで、藤原投手、常盤捕手のメジャーリーグでの活躍が痛快でした。
2001年の小説ですが、現在の大谷翔平選手の活躍と相まって新鮮で色褪せない感じがします。
ホームから読み始めましたが、著者の多くのスポーツ小説を読んでいくのが今後も楽しみです。
大谷選手を主人公にした現代版小説も読みたいものです。
Posted by ブクログ
登場人物の性格設定が興味深く、物語を膨らませてくれました。
8年のブランクを経てアメリカのマイナーリーグで投げ出した主人公の藤原、ボール恐怖症のキャッチャー常盤、其々の夢を追いかける姿を通して野球の面白さが伝わってきました。
Posted by ブクログ
読み進めるうちに、泥臭く夢に向かっていく姿に引き込まれる
最後にはもっと彼らの先を見たいと思うサクセスストーリーだった
ただ『スポーツ作品』が好みでは無いための評価
8年間彼の夢である1人の選手との対戦は胸に秘め、家族のために生きた藤原
彼の娘が亡くなった事を機に夢への挑戦が始まる
彼が自分の人生、やりたい事を選択できたのがよかった
彼は優しい
こんなはっきりとした描写は全く無いが
彼の優しさは家族に捧げた8年だけでなく、同時期に渡米した常盤とのやりとりにもあり
そんな彼が夢に挑戦できる事を嬉しく思う
現在の日本の野球しか知らないため、作品舞台の時代やメジャーの雰囲気は明確にはわからないが
描写が細かく想像しながら読めた
Posted by ブクログ
舞台はメジャーリーグ、かつて「コミックバンチ」で連載していた「ワイルドリーガー」をなんとなく彷彿とさせるような匂いに象徴される設定など、非常に私が好む類の作品で、現に中盤過ぎに至るまではとても面白くスイスイ読んでいったわけだが、それ以降の流れがあまりに雑、やっつけ感満載でバタバタと閉じられていることをとても残念に思う。
賞レースのために紙幅が決まっていたため、慌てて収めたのではないか? とともすれば疑ってしまうぐらいだ。
藤原夫妻のこと、ヘルナンデスとの因縁、香苗と河合、大越新社長の今後、水谷記者との関係…、とにかくすべてが中途半端なまま、性急に物語は切れてしまった。
なんだか始めの頃は面白くて人気もあった連載マンガが、末期にガタガタになっていって、ことごとく伏線を回収しないまま打ち切りになってしまったような、そんな事例みたいだ、まるで。
Posted by ブクログ
堂場瞬一のスポーツ小説。実業之日本社ではなく、集英社です。
『ミス・ジャッジ』でもMLBの世界が描かれていましたが、この作品もMLBが舞台。もっとも、日本企業が設立した新規チームが舞台になっています。
第13回小説すばる新人賞を授賞した作品。2001年に書かれているので、ほぼ10年前。なので、今読むと、時代設定が違うこともあり若干の違和感を感じます。ですが、小説すばる新人賞を受賞したというのも、判りますね。終盤の設定が、微妙な感じになってしまっていますが、それは野球には関係のないところの話ですからね。でも、それをもう少し緻密に書いていれば、完璧でしたね。
Posted by ブクログ
退屈はしないが、短めのストーリーに対し、登場人物が多過ぎる印象。
主人公の一癖あるキャラクター設定は、この作者の作品らしく、悪くないだけに、やや惜しい。
Posted by ブクログ
3Aからメジャーに上がっていく過程、エクスパンションで出来たチームだからこその活躍の場所、チームの成長等、メジャーリーグを知りつくしていなければ描けない内容になっているのは脱帽。これがデビュー作なんですよね、凄いなぁ。
でも、ライバルの選手への因縁が少々強引な気がして、その部分で共感出来なかったのが残念。