あらすじ
瀬戸内の島。東京から山村留学にきた中学二年生鳥海浩次は、退屈な島暮らしにうんざりしていた。ある日、地元の同級生・計が、蔵から海図を見つけ出す。水軍の財宝をつんだ船が嵐で沈没したという伝説があり、その船のありかが記されているというのだ。格好の暇つぶしと、山村留学仲間の花香を誘い、三人で海へこぎ出すが……。少年少女のきらめく夏物語を瑞々しく描く。
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Posted by ブクログ
真冬なのに夏が恋しくなって夏っぽいこちらの小説を読みました。結果、夏を満喫できたような感じになれたので大正解でした。中学生の少年少女の一夏を描いた今作ですが、複雑な人間関係などがなく、終始爽やかに読み進めることができました。今度は夏に読み返したいです。いい作品に出会えて良かった。
Posted by ブクログ
久しぶりに小説読破。
心地よくのんびり読める文体で、隙間時間でぼちぼち読み切り。
ある夏の少年の冒険心を描いた本。わくわくどきどきって人生のスパイスだよねえ
Posted by ブクログ
東京から瀬戸内の小さな島に山村留学させられた中学生二年生の浩次。留学以来父親とは連絡が取れず、島流しに遭ったのではとさえ考えながら、どうしようもなく退屈な日々を東京から持って来た本とCDでやり過ごしている。だがある日、地元民で同級生の計から水軍の宝の地図だと言って見せられた古い海図をきっかけに、浩次の夏は少しずつ変化していく。
最初は半信半疑だった浩次が、お宝話に乗っかる気になるまでの過程が飛ばされすぎな気もしたが、それについては徐々に浩次の一人称で語られて行くのでほぼ問題ない。浩次、計、花香の主要三人の人物造形も、妙に大人びていたりシニカルだったり、でも中学生らしく素直だったりして、生き生きと描かれている。結局水軍の宝を引き上げることは出来ないが、浩次はその後勉強と研究を続け、大人になって再び島に戻ってくる。きれいにまとまった、と言う言葉が皮肉にならない、爽やかな読後感の小説。