あらすじ
軍事政権下のチリで、安井豊は謎の美女・ビオレタと出会う。軍事クーデターで両親を失った彼女は、反体制のシンボルとなり、大統領の命を狙っていた。しかし、暗殺阻止に動いた大統領側近は彼女の幼馴染みだった! 独裁と自由。南米の熱きパッション。相反する理念を求め、男と女が対峙するとき、新たな時代の幕が開く。現代史の裏面を抉るポリティカル・サスペンス!
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Posted by ブクログ
パコ・サンチャゴ・マリンが欲しいという知人に贈った「サンチャゴ」要素。中身を知らずに贈ったのを今更読む。
予想外に面白かった。歴史的事実を実名とか使いつつフィクションが加えられているのだが、悪くない。
事実に脚色加えるのは辟易したりするけれど、チリという地球の裏側の国のお話だから、事実がフィクションのように感じられて違和感なく感じられてしまうのだろうか。
とにかく、自分の生まれる前の地理の軍事政権のことなんてぜーんぜん知らなかったから、興味深かった。
冷戦時代の南米(というか第三世界)は小説のような事実ばかりだからそそられる。
「サンチャゴに雨が降る」というのがクーデタの隠喩であるというのが良い。タイトルにはこれしかないという感じ。
この本との出会いは全くの偶然だけれど(ネタとして出会った本)とても良い偶然でした。
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(登場人物)
●安井豊…主人公、チリ人の彼女がいた医者。
●ビオレタ・アレス…主人公、社会主義運動家の両親をピノチェト政権に殺された女性。アメリカに亡命して女優になり、祖国のドキュメンタリーを撮影するため密入国する。
●アウグスト・ガルセス…ビオレタの宿敵になるピノチェトの部下。社会主義政権復活後に再び軍事政権樹立をもくろむ。
●田辺…豊の友人のジャーナリスト。チリの軍事政権の本性を取材するためにチリに潜入する。
●城山喜重郎…黒幕。世界の右翼を牛耳って日本の政財界に多大な影響を持つ男。