あらすじ
30人の幼児と自分の娘、どちらを助ける? 人類誕生から続く「正義」を巡る論争の決着とは。生徒会を舞台に自由・平等・宗教と異なる正義をもつ女子高生のかけ合いから、その正体があぶり出される!
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Posted by ブクログ
哲学の入門として、非常に読みやすい本だった。最後の正義に関しての考え方は、自分のなかで正しさに持っていた漠然とした考えを文章に落としてくれたようだった。まとめの方では、善く生きるとはつまり「感覚で生きる」ということにもつながっていくように思えた。(しかしそれでは宗教的正義に近いのだろうか......)
最後の締めはまさかで、嫌悪感を少し抱いてしまった。そこにまた、自分が社会の構造主義の中に染まっているのだと感じさせられよかった。自分はかねてより、同性愛の気質もあるのではないかと思っている。自分はその世界を見なければいけないのかと斜めの方向に葛藤してしまった。
正義という答えのない問題についての思考であるため、途中出口を失い苦しくなる。また最後はどうしても俗人的というか、一つの答えでまとめられるものではない。そういうものなので仕方がないが、それでも答えを求めてしまう。これもまた構造主義によって、物事には見つかっていないだけで確かに正解があるのだと思わされているからなのだろうか。思考が深くなるような本だった。
Posted by ブクログ
とても読みやすかった。そして自分の考え方を客観視することができてライトな読み物ながら為になった。
まず、平等(全体の幸福量最大化)か、自由か、宗教(直観)か…登場人物の3人の女の子はいずれかに極端に振れてるわけだが、実際はこの三角形のどこ寄りかという話なのだと思う。自分は平等を語りながら、でも心の中では強い方の自由主義で、たぶん半々なのだと。平等の功利主義はパターナリズムに陥るというのも、パターナリズム自体がそこまで問題とは思わないのも本心だし、一方で強い自由主義にも共感できる。
だが何より、主人公が後半でまとめ的にいうセリフ「どの主義も全コミットできないが、前もって正義はこれだと決めつけてそれを絶対のものとして押し付けるのだけは違う。自分がトロッコ問題的な極限状況に置かれて、自分の中の善を考え抜くことが正義だ(出した結論がなんであれ)」に全力で頷いてしまった。これしかない。この結論は、正義なんて人それぞれでいろんな考えがあるよね、という思考停止とは違うものなのがミソで、なぜなら自分がその極限状況におかれ他人ごとでなくなったときに「じゃあお前の考えはなんのなの?」と突きつけられてしまう。人それぞれ違う中で自分がどの結論をだすか、哲学的に自分の価値観を考えるのは面白かった。
Posted by ブクログ
わかりやすかったけど、ラノベみたいな要素は要らなかったかも
功利主義 平等
自由主義 自由
直観主義 宗教
正義の判断基準
自由原理、格差原理
絶対主義 相対主義
原子論 イデア論
唯名論 実在論
経験主義 合理主義
実存主義
構造主義
ポスト構造主義
公式的に善の行動が決まったらそれは善ではない
悩む人間の行動が正義
Posted by ブクログ
正義とは何なのか?
高校生の主人公たちがいろんな角度から正義について考えていく話。
哲学って何だ?
なんか興味あるけど、、よくわからない。
意識がない状態でも読めるし、そうかそうか。と考えさせれる部分も多くありました。
最後の最後のオチ?がまさかでしたが笑
Posted by ブクログ
タイトルと主人公であろう青年の悲壮感MAXな表情の表紙から、さぞ陰惨な正義の物語りなんだろうと思ったけど違った。高校生の授業というベースで話は展開する。
ライトな入門書ってカテゴリーでよいと思います。
あと哲学的なおおまかな歴史。読みやすい。
著者様さすがで、非常に分かりやすく説明してくれていて腹落ちする。好き。
何からの答えを知るために、哲学を学ぶのか。
考えの幅を広げ、思考がとらわれないために学ぶのか。
まぁ大半は後者なんだろうと思う、でも...答えあるのか?
ないならなんで哲学すんだって楽しい思考の無限ループ。
本書でも一応の答え?はある。納得するかはホント個人的な判断なので気楽に読んでみてはどうかと。
ラストはパンチがきいてる...本書を読んで「なるほどー」と思って分かった気になっていると「本当に分かった?こういうことだよ...?」と特大の問いかけ、衝撃でした。
Posted by ブクログ
すごい本だった。
思ってたよりも凄かった。
哲学の知識をまとめた本としても、ひとつの作品としても、予想外の本だった。
表紙がマンガちっくなのが、(素敵な絵だけれど)読む人を限定させたらもったいない気がした。
びっくりしたけど、読んでよかったと確かに思える本だった。
Posted by ブクログ
正義の判断基準は3種類しかない。
①平等の正義:功利主義。最大多数の最大幸福。ベンサム。快楽計算。↔︎不平等
「全員の幸福度を計算し、その合計値が一番大きくなる行動をしなさい」
→問題点1:そもそも幸福度は計算できるのか
→問題点2:快楽が本当に幸福だと言えるのか
→問題点3:パターナリズム(独善的なおせっかい主義)
②自由の正義:自由主義。弱い自由主義(自由主義のふりをした功利主義)と強い自由主義(自由>幸福)。愚行権。↔︎不自由
「個人の自由を守る行動をしなさい」
→問題点1:格差の拡大と弱者の排除
→問題点2:自己責任、個人主義の横行によるモラルの低下
→問題点3:当人同士の合意による非道徳的行為の増加
③宗教の正義:直観主義。枠の外側。イデア論。ソクラテスとニーチェ。↔︎反宗教
「良心に従って道徳的な行動をしなさい」
→問題点:人間は正義を直感なんてできない。人間に完全な正義がわかるわけがない。