【感想・ネタバレ】スパイクのレビュー

あらすじ

瓜(うり)二つのビーグル犬を連れた林幹夫(はやしみきお)と私・江添緑(えぞえみどり)は、初対面から惹(ひ)かれ合った。驚いたことに、飼い犬の名前も同じ「スパイク」なのだ。ところが再会を約束した日、幹夫は現れなかった。気落ちする緑に、突然、愛犬が話しかけてきた! 「ぼくは幹夫のスパイクだ」と。幹夫の消息を求め、一人と一匹の冒険が始まった――。不思議で切なく愛(いと)おしい、心に沁(し)みる恋の物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は偶然が生んだ、ただのベタな恋愛話かと思いきや、パラレルワールドが絡むちょいと複雑なストーリーになっていく。
途中、中だるみしたものの、意外性のあるラストで一気に締め括ってくれた。もっと安易な展開を予想していただけに、意表をつかれた。まさかそうくるとは思わなかった。
最後のあの壁際のシーンはすごく切なくて、良かった。

同じ世界に存在出来ない、触れ合う事さえ叶わない。それって究極の切なさなのかもしれない。

「だから指先にありったけの思いをこめて、見えない壁に押しつける。少しだけやわらかい壁がゆがみ、おたがいの指先のとがった感触をぼんやりと伝えてくる。
幹夫の指がわたしの心に、わたしの指が幹夫の心に、棘のように刺さる。悲しかった。さびしかった。けれどどこか嬉しく、かすかに満足でもあった。」

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2014年12月16日

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