あらすじ
江戸・根津権現の辻番所を預かる老爺・留蔵と、辻謡曲を生業(なりわい)とする浪人・田部伊織には知られざる裏の貌(かお)がある。庶民を傷めつける悪党をひそかに始末しているのだ。伊織が救(たす)けた刀傷を負った若侍も、辻番所に居ついていた。友を心中に追い込んだ同心に、決死の覚悟で仕掛ける伊織。そこに一陣の風が!(表題作)。武芸を嗜(たしな)む著者が描く、迫真の剣戟(けんげき)と人の絆。時代中編集!
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Posted by ブクログ
仕置き人+人情もの。主人公格の三人が人々に請われ、悪人を成敗する話。彼らの活動導線が交わっている辻番所は、その空間を説明するだけでストーリー状況が分かるように書かれていて、第四の主人公のような扱いを受けている印象を受けた。留蔵が何か調理をしている場面はいちいち旨そうだ。居合いのシーンは「こう駆動するので、結果こうなる」のような丁寧な書かれ方をしているように感じた。まだ始まったばかりのような内容なので、機会があれば次巻も読んでみたい。