【感想・ネタバレ】会社で働くとなぜ幸せになれないのか 奪われる〈人生の時間〉のレビュー

あらすじ

働いて働いて働いて…
それであなたの人生は幸せですか──?

「お金」か「やりがい」か、あるいは「成長」か。

会社で働くことは人生の損失であり、会社員でいることは割に合わない。コロナ禍を機に、多くの人たちがそう考えるようになった。日本では近年「退職代行」が横行し、アメリカでは「大退職時代」と呼ばれる地殻変動が生じている。「ふつうに働く」という常識は崩壊し、会社で働くことは「ばかばかしい」と考える人が増えている。

なぜ、このような変化が世界的に生じているのか? 職工、会社人間、就職氷河期世代、ブラック企業、PEW…。会社員の歴史をたどることを通して、「働くこと」と「生きること」の関係を問いなおす。『ブラック企業』著者による新境地。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

とても面白かったし読みやすかった。労働の歴史や事例が多く載っており、参考文献もきちんと書いてあったため信頼性に足りていた。読後、絶望を感じる人が多いのではないか、働くことや会社に属して生きることは基本的に逃れられない事実だからだ。著者が最後に希望として書いていた「起業」や「NPO」などは大多数の人の代替選択肢にはなりづらい。現在お金に余裕があったり、実家から何かあった際に経済的支援を受けれる見込みがあったり、現在若くて家庭を持っていなかったり。そのような人くらいしかチャレンジできないと思う。そして、著者は少し物事を大きく見すぎている部分もあるように感じた。これは左派や反資本主義の人の特徴でもあるといえるが、「資本家vs労働者」「1%vs99%」のように。でも実際は、そこにはグラデーションがあり、資本家(富裕層)に対する政策面(政治による優遇措置など)での問題も存在したり、そんな簡単に二項対立で批判の対象にできるものでもないと思う。今日の労働環境や企業風土は過去に比べたら、賃金UPやハラスメント対策、CSR等の面でもかなり努力していると感じる、それは会社に就職して会社の中から見てみた感想として。
やはり、私の中での仕事に対する解決策を出すとすれば2つあるといえる。1つ目は、本書の最後の部分でもあったように「自分自身のコミットメントにもとづいて仕事を追求する生(p.235)」「私たちが会社のためにではなく、自分自身の自由な意思に従って働くのならば、他人のために労働することは、それ自体が『自由の表現』へと転化する(p.236)」ということだ。”会社のために”とか”やらされている”という捉え方を持たずとも、”私の中で私の自由意思に基づいて今働いている”という感覚を持つことができることが理想と考える。そのために、私が人生を通じて何をしたいのか、どういう人間になりたいのか、これらをきちんと考える必要があるし、自分自身に向き合いたい。2つ目は、制度整備である。現行の労働法は36協定などで残業規制にどれほど歯止めがかけられているのだろうか、そもそも週5日8時間の基準は見直してもいいのではないか。歴史を見るとこれらの部分は社会的合意と政治や行政の動きがあれば変えられるだろう。私はやはりこれらの基準は人間が人間らしく生きていくうえで見合っていない数字だと感じる。

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2026年05月17日

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