あらすじ
◆各メディアで掲載!
★読売新聞 大森静佳さん書評(2025年10月12日掲載)
★毎日新聞 鴻巣友季子さん書評(2025年10月18日掲載)
★週刊読書人 かげはら史帆さん書評(2025年10月24日号)
★『Meets Regional』永江朗さん書評(2025年10月号)
「こんな授業があったら、もっと勉強が好きになっていただろう。こんな先生がいたら、もっと学校に行くのが楽しかっただろう。
この本を読んでぼくのシェイクスピア観が変わった」
★毎日新聞「2025年 この3冊」永江朗さん選(2025年12月20日)
★NHKラジオ「著者からの手紙」(2025年11月23日)
★J-WAVE『ACROSS THE SKY』(2025年12月21日)
16世紀末から現代までをタイムトラベル!
舞台芸術史研究者で不真面目な批評家・北村紗衣×男子高校生の5日間の講義録。
シェイクスピアに興味のなかった高校生たちが、「読むのが面白くなってきました」「シェイクスピアに近づけた気がする」と。そう感じた理由は?
シェイクスピアと友達になれる6つのポイント
1.「無限の多様性」。暴力的な残酷描写や下ネタ満載。悲劇でもギャグやドタバタ満載。面白おかしいところと悲しいところが混在、緩急のメリハリがある作品群。
2.喜劇、悲劇、史劇、問題劇……、意外に多いロマンティック・コメディの恋愛ものなど、作品の全容がわかる!
3.良い人なのか悪人なのかもわからない。みんなシャレが好き。おしゃべりだけれど、観客が本当に知りたい物語の肝は絶対教えてくれない。登場人物たちの魅力と謎。
4.「巨匠」だからっておじけづかなくて大丈夫。シェイクスピアにも遠慮せず突っ込み、とことん楽しもう! 流通、経済効果、帝国主義――周辺をどこまでも探る。
5.シェイクスピアは「今の私たち」のために芝居を書いた! 政治の駆け引き、抑圧と差別、人種、ジェンダー……どの時代の、どの地域の人とも一緒に生きるシェイクスピア!
6.イラスト多数。登場人物が、役者たちや舞台が目に浮かぶ! 16世紀の舞台を、当時の人たちと一緒に見に行っているような気持ちを味わう。
シェイクスピアは、世の中とつながり、楽しいことを見つけ、人生を面白くするための「突破口」です。
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本書ではシェイクスピアをそれだけで完結するものとして考えるのではなく、作品から広がるいろいろな世界を探求します。いわゆる「シェイクスピア入門」的な知識紹介もありますが、観光とか流通とかジェンダーとか人種とか批評理論とか、いったいシェイクスピアと何の関係が……と思うようなこともたくさん出てきます。読んでいただければわかるように、実は全部シェイクスピアからつながって出てくる話です。私にとって、シェイクスピアは世の中とつながり、楽しいことを見つけ、人生を面白くするための便利な窓のようなものです。(プロローグより)
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【目次】
プロローグ
序幕 授業の前に シェイクスピアを「批判的に楽しむ」授業を男子校でやる理由
第一幕
第一場 生涯 シェイクスピアは学のない劇作家だった?
第二場 作品 暴力的で下ネタ満載。良い人か悪い人かもわからない
インタールード 研究室へようこそ! 参考文献を紹介します
第二幕
第一場 登場人物から作品を知る 十代の男の子が演じた女性登場人物たち
インタールード 調べものにウィキペディアを使うのは是か非か
第二場 英語 リズムの乱れは心の乱れ!
第三場 『ロミオ+ジュリエット』を見る うっかりミスや手違いで、若者たちが非業の死を遂げるのはなぜ?
第三幕
第一場 戯曲は設計図 頭の中に演出家を住まわせてみよう
第二場 舞台 大砲で火事に! 現在とは大違いのステージ
第四幕
第一場 『オセロー』を人種とジェンダーから読む 妻が本当に不倫していたら、オセローは何をするべき?
第二場 映画『O』を見る 舞台は二〇〇〇年頃のアメリカの高校。現代化する時の面白さと難しさ
第三場 批評とは 褒めるのもけなすのも証拠を挙げて
インタールード 三コママンガを描いて、自分の着目点を知ろう
第五幕
第一場 批評の講評 書きたいことを書けない時は
第二場 出版と読者 一冊一〇億円、ファースト・フォリオを探せ!
第三場 観客 シェイクスピアを未来に残していくのは私たちだ
エピローグ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読んでいて実際に授業を受けているような気持ちになった!シェイクスピアについては3、4作品しか内容を知らなかったけれど、シェイクスピアが評価されるようになった経緯や現代の上演内容なども解説があり、シェイクスピアへの理解が深まったように感じる。
Posted by ブクログ
面白かった!
私立中高一貫男子校で実施されたワークショップのような形態の授業記録でもある。
すっかりシェイクスピアに魅了され、引用された本2冊を注文、映画2本を記録して「永遠の友達」を増強中。
そういえば、小学3,4年のときの教育実習生の授業で「好きな本は?」と尋ねられ「ハムレット」と答えたときの実習生の馬鹿にしたような笑いがトラウマだったから、先生になりたくなかったんだった…
それなのに何故か先生をやってるのは、「知識」や「学力」という「奪われない友達」を紹介したいからだったんだ!「数学」が好き、って別に可笑しなことじゃないんだ!
北村紗衣さん。「徹子の部屋」か「情熱大陸」か「スイッチインタヴュー」のオファーがきたら、受けてくださいませ。
追記
生徒さんの「批評」も素晴らしい。
「教え」が「学び」に結実しているのを感じました。
Posted by ブクログ
シェイクスピアを題材に、演劇、批評、歴史認識、ジェンダー論などをディスカッションするもの。参加者は武蔵と開成という超高偏差値男子校の生徒たち。作品で描かれる人間模様から、家長夫制や男尊女卑、人種差別、大英帝国の動向などを読み解き、理解するやり方はとても面白いし、講師役の作者との掛け合いでは、生徒たちの基礎知識の高さが伺えて感心する。小説や演劇のストーリーに秘められた作者の狙いや、思わぬところに露出する意識を読み解くことは、作品を一層堪能することになると思うので、意識していきたい。
Posted by ブクログ
シェイクスピアを研究する筆者が、麻布と武蔵の高校生(*)に講義をしたときの様子を文字起こししたもの。アクティブラーニングを取り入れ、生徒の気づきや疑問を取り上げながらの授業展開が素晴らしい。シェイクスピアの作品1つから、こんなにいろんなことを深く掘り下げて話を広げることができるのかと驚いた。
講義の最後に生徒全員がシェイクスピア作品の批評を書き、そのうち2作品が本に掲載されている。高校生がこれだけ書けるのか、本当にすごいと思った。
(*)麻布9名、武蔵5名
Posted by ブクログ
私は作者とほぼ同世代、かつ、わりと近い世界を大学で齧ったものである。
(ただ、私はその世界のドアをそっと触っただけで回れ右をした、アカデミアとは程遠い人間)
北村氏のことは一方的にTwitter界隈で見知っていて、彼女のバシバシとした意見に快哉を叫んできた。
マツコのTVでWikipedia編集者として登場した回もチラッと拝見したが、著書を正面から読んだのはこれがはじめてだ。
この本はなんといっても、シェイクスピアをジェンダーの視点から、かつ、名門(とされる)男子校の生徒数人を相手にした講座の模様を収録した一冊だという点で興味を持った。
学生たちは当初は(おそらく)反応が悪いし、ジェンダーにピンときていない様子は大いにあるが、批評入門のところではかなり上手に書けていて感心した。
理系の子が多いと思うが、小説や昔の少女漫画に詳しい子もいて、素養は十分だと思った。
シェイクスピアについて、さらっと知りたいだけの方にも面白いと思うし、それなりに知識のある人が読んでも、新たな切り口を十分に楽しめる一冊だと思う。
個人的に、北村氏が中学生のころ、97年?のディカプリオのロミジュリを見てこの世界に興味を持った、というところで同世代ならではの感動があった。
そして大学の授業で聞いたという、『ジョン・ケージの4分33秒をたくさん集めたアンソロジーアルバム』がおおいに気になった…!
もちろん個々に演出があり、背後の音?に違いはあるらしいが、『4分33秒を聴き比べる』はなかなかのパワーワードである。
Posted by ブクログ
シェイクスピアを、本当に色々な角度から見せてくれている。
もともと、蜷川シェイクスピアを見るのが好きで始まった私の中でのシェイクスピアとの付き合いなのだが、自分自身で演技や演出にまわる経験はなかったので、実際に生徒たちが作品を取り上げて演出プランや設定などを色々考える部分を読みシェイクスピアを現代に設定して演じる意味など、目から鱗に感じる部分も多かった。演劇ってそういうことなのか・・・と考えさせられる部分も多かった。
また、本当に色々な角度からのアプローチで、今まで私の中になかったシェイクスピアの引き出しに触れられたことも楽しかった。
Posted by ブクログ
正直、舞台でも映画でもシェイクスピア作品をそこまでおもしろいと思ったことがないし、そもそも見たことも読んだこともない作品のほうが多いくらいなんだけど、これはおもしろかった。
北村紗衣先生が、麻布高校、武蔵高校の男子学生の希望者14名に行ったシェイクスピアについてのワークショップをまとめたもの。北村先生の書くものはいつもすごくわかりやすい印象なんだけど、高校生に対してなのでさらにわかりやすいし、今の時代に合ったジェンダーや人種差別の問題にも適切に触れていてよかった。
特に興味深かったのは、ロミオとジュリエットの戯曲を読んで高校生たちがオリジナルの演出を考える、ところとか。そもそも演出って戯曲をもとにどういうふうに考えていくのかなあ、っていうのがなんとなくでもわかったような気がした。あと、高校生たちがシェイクスピア作品を翻案した映画の批評を書いてきてそれを北村先生が講評するんだけど、それも、批評って感想ではなく解釈であり、批評はどうやって書けばいいのか、具体的な書きはじめかたとか切り口とかも説明されていてためになった。
あと、個人的には、北村先生が書いた論文の話、16世紀末~1770年のイギリスやアイルランドのシェイクスピア演劇の観客について、当時のシェイクスピア全集やチケットに書き込みされているものを調べて、どういう人たちがシェイクスピア作品を読んだり見たりしていたのかとか調べたっていう話も興味深かった。論文て、作品の内容だとか使われてる言葉だとかについてとか調べると思ってたけど、そんなおもしろいテーマもあるのか、みたいな。関係ないけど、論文を書く過程をおもしろおかしく書いた小説とかあれば読みたいな。
Posted by ブクログ
高校生の頃にこんな授業を受けてみたかった。シェークスピアについて殆ど知らなかったけれど、色々なアプローチから興味が湧いてくる。15歳の時に観たデカプリオの映画きっかけでこんな世界に繋がるとは。
Posted by ブクログ
シェイクスピアを巡るうんちくが盛りだくさん。批評するという行為の本質的な意味が少し理解できた。シェイクスピアの戯曲に登場する女性の名前を付けられた男子高校生たちがいい味を出している。こんな風に仲間たちと本を読むっていいなと思った。
Posted by ブクログ
シェイクスピア女性観客の研究者兼批評家が名門男子高校の学生14人に対してレクチャーしたシェイクスピアにまつわる諸々と作品批評の基本の記録。
劇場に演劇を観にくる男性はわりと少数派という事で未来の社会を担っていくであろう世代の男子学生を集めて欧米では一般教養であるシェイクスピアを特に講義。確かに演劇一般で客席にいるのは圧倒的に女性が多い印象。
シェイクスピアが社会に与えた影響、社会状況がシェイクスピア作品に影響を与えたアレンジで出力されるさまの説明は面白く、シェイクスピアを見た人の復習や掘り下げた理解にも使えるし、まだ見ていないシェイクスピア作品がある人へのガイドにも使える。
書店で手に取ると一瞬ひるむ本の分厚さなのだがそれにチャレンジしたリターンを十分にくれる一冊だと思う。