【感想・ネタバレ】抗がん剤だけはやめなさいのレビュー

あらすじ

独自の見地からがん治療に対する見解を発信し続け、2012年に菊池寛賞を受賞した近藤誠医師の抗がん剤論決定版! 肺がんや胃がんなど、固形がんの標準治療とされる抗がん剤。だが、実は延命効果は認められない。認可取得を狙い、関係者が臨床試験データを改変する手口の数々を徹底論証する。抗がん剤が殺細胞薬として開発された以上、命を縮める毒性は免れない。それより、本当に必要ながん治療を自分で選ぶ力を身に付けよう! 本書は2011年に刊行された『抗がん剤は効かない』に最新の知見を加え、タイトルを改めたものです。

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Posted by ブクログ

「結局、抗がん剤が殺細胞薬である以上、正常細胞を殺すがゆえの毒性はなくならず、延命効果ならぬ縮命効果の発現は不可避です。(本書 まえがき)」からはじまる本書は、とても分かり易く、そして丁寧に、その理由を明らかにしてくれるため、一見刺激的なまえがきの言葉も、それらの理由を一つ一つ追っていくことで、自然な流れで理解することができる良書です。

本書後半では「今日、がんに限らず、高血圧や糖尿病等、種々の成人病の早期発見・早期治療が叫ばれています。しかしこれも、寿命を延ばすという根拠データがない。人間ドッグを律儀に受けて医者の言うことを守ると、逆に寿命が縮む可能性が高いのです。(本書抜粋)」ともしており、抗がん剤にとどまらず、広く医学界と患者への警鐘となっています。

本書の著者は慶応大学医学部放射線科の医師(執筆当時)です。2014年に定年で大学病院を去られるまで、その肩書は「講師」のままだったそうです。
この事実もまた、本書の価値を正確に教えてくれるものの一つであると感じました。

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2016年08月01日

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