あらすじ
知ってしまったこの恐怖は、誰かに伝えるしかない――。
怪談の連鎖反応を刻みこんだ迫真の怪奇取材録
TV番組等で活躍中のオカルト研究家・吉田悠軌が綴るリアル怪談集。
・新宿の某ビルで起きた不可解な怪事「誤報」
・自宅に出現した怪しい男の驚愕の正体とは「イケメン」
・屋根裏で捕獲したコウモリと奇妙な因果「チーズと赤ワイン」
・夜な夜な襲いくる足のない異形の秘密「小野小町」
・同じ日を幾度も繰り返す実在したループ譚「火曜日の娘」
・集落の少女が語る不可思議な半生「インドの片田舎で」
・近寄ってはならない祠に手を合わせると…「つつみのきぶねさま」
・異様な笑顔で迫りくる謎の男、そして連鎖する恐怖「怖い話を聞かされた」
誰かの身に起きた怪異が伝播し描かれた恐怖の波紋は、やがてあなたの元にも――。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
帯に「知ってしまったこの恐怖は、誰かに伝えるしかない」と書かれていたので、伝染系の話かなと躊躇しましたが、「はじめに」にあるように「誰かの怪談を聞いたという体験談もまた、怪談そのもの」と捉えて、「怪談を聞いたという体験を語っている怪談ならではの奇妙なうねり」を楽しむ一冊のようです。怪談実話系だと、どれも著者が「聞いた話」となると思うが、この本は、著者が聞いている体験者や情報提供者も誰かから話を聞いているか、ある情報を聞いていたりする。つまり人から聞かされて怪談となっている話が収録された一冊です。
個人的に印象に残った話は、意外な登場に驚く「イケメン」、怪談なのかわからないが不気味さの残る「チーズと赤ワイン」、著者吉田悠軌氏の考察が光る「小野小町」「鹿島大明神」の連作、オシャレな怪談「廃盤タバコ」、表題作である「怖い話を聞かされた」。
最後に「怖い話を聞かされた」という話を持ってくることで、収録されたすべて怪談のオチにもなっているし、著者の情報提供者である友人への弔いの気持ちが感じられました。
Posted by ブクログ
怪談サークル「とうもろこしの会」会長、吉田悠軌さんの怪談本。
巷にあふれる怪談本の中でも、吉田悠軌さんの本には一目置いている。
不思議で奇妙な体験談だけでなく、実在する地名や場所、そこにまつわる逸話なども詳しく語ってくれる話が多いからだ。
山梨県にある呪いの御神木なんて、彼の怪談を聞いたあとに、実際に見に行ったりもした。
今回の収録作には、実在する地名が出てくる話こそなかったものの、一族の男性に祟る怨霊や、あるイケメン俳優の残留思念の話など、人名や神社名が具体的に記されている怪談もあり、想像が捗った。
今回の相談者から聞いた話と、過去に吉田さんが集めていた怪談話。それぞれに奇妙な共通点が見つかり、そこからさらに謎が深まっていく……。
そんなとき、著者はタイトルどおり「怖い話を聞かされた」と感じるのだという。
まるで怪談そのものが、自分に話を聞かせるために寄ってくるかのように。
そう考えると、なんとも怖い。
個人的には、終わらない火曜日を過ごしている娘を心配する父の話が印象に残っています。
実は私にも、探しても見つからない、声をかけても返事がない。なのに、ずっと同じ家の中にいたという経験があるのです。
何度も探したキッチンで、本人はずっと料理をしていたと言っていました。