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Posted by ブクログ
現役の腫瘍内科医によるがんの解説書。副題の「人類4000年の苦闘」はちょっと盛りすぎで、ここ100年のがん研究の歩みが語られる。
著者の背景を反映してか、化学療法の話がメインで手術はちょっぴり、放射線の話はほとんど出てこない。また、普通はあまり触れられないが、経済も重要なトピックとして出てくる。寄付金を集めたり、政府の資金を振り向けさせたり、研究資金を集めることも重要だ。
・ホジキンはリンパ腫について初めての発表を行ったが、その発見は全くといっていいほど相手にされず、研究からも身を引いて静かに亡くなった
・がんを一緒くたに扱う考え方こそが、がんは多様な疾患ではなく単一の疾患なのだというゆるぎなき信念こそがエネルギーを注ぎ込んでいた
治療法が確立されれば、それはあらゆる種類のがんに効果のある包括的な治療法となる
・人類が長寿、不死を求める以上、がんはつきまとう。「ほかのあらゆる殺し屋が殺されて初めて、がんはありふれた病となったのだ」
・「魔法の弾丸」という呼称を最初に使ったのはサルバルサンを開発したエールリヒ