あらすじ
ネットフリックスシリーズ『地獄に堕ちるわよ』参考文献!稀代の女やくざが生き抜いた色とカネと暴力にまみれた欲望の戦後史!――「地獄に落ちるわよ!」の決めゼリフでテレビ界がひれ伏した恫喝の占い師を、カネにあかせた6億円の訴訟と広域暴力団最高幹部からの圧力にも屈せずに表舞台から引きずり降ろしたジャーナリズムの金字塔!
渋谷の青線地帯で生まれ、銀座、赤坂の夜で育った「魔性の女傑」――。暴力団幹部と深く永い契りを交わし、人気絶頂の演歌歌手から歴代首相の指南役までを手なずけ、「世界一の占い師」として巨富を得た稀代の女ヤクザの実像と正体に斬り込んだ、溝口敦だからこそ書けた真実!
(目次)
文庫版のためのまえがき
序 章 時代の「寵児」なのか?
第一章 宰相同居の家に生まれて
第二章 色と欲の「同行二人」
第三章 小金井一家・堀尾昌志との深く永い契り
第四章 他人のふんどしで占い師・細木の土俵入り
第五章 島倉千代子というカモネギが来た
第六章 歴代首相の指南役・安岡正篤をたぶらかす
第七章 細木を使うテレビ局の無残な無定見
第八章 「神水から墓石まで」の細木商法
第九章 墓地が炙り出す「最愛の男」
終 章 低俗な時代を謳歌する女ヤクザ
付 記 「反論と訴訟」という墓穴
解 説 鈴木エイト
<期間限定スペシャル表紙>
2026年8月末日まで期間限定特別表紙です。
2026年9月1日以降は順次、元の表紙に差し替えられます。
■NETFLIXシリーズ「地獄に堕ちるわよ」絶賛配信中!
主演:戸田恵梨香
※本書が参考文献となっております。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ドラマ『地獄に堕ちるわよ』を見たあと、溝口敦『細木数子 魔女の履歴書 新装版』を読んだ。
ドラマを見て、占いとは「当たるも八卦、当たらぬも八卦」であり、そこには良い占い師もいれば、そうでない占い師もいるのだろう、という程度に受け止めていた。人は不安を抱えたとき、誰かに道を示してほしくなる。その意味では、占いが人の支えになることもある。
しかし本書を読むと、その印象はかなり変わった。
描かれているのは、単なる占い師の物語ではなく、占いの背後にある金、権力、人脈、恐怖、そしてメディアの構造である。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」と言いながら、その曖昧さを利用して大きな金を得る。人を導くように見せながら、時には人を傷つけ、支配し、恐れさせる。その姿が、著者のかなり辛辣な筆致で描かれている。
本書の表現には強い断定や人格批判も多く、そのまま受け取ってよいのかという慎重さも必要だと思う。人の見方は立場によって変わるし、本人には本人なりの理屈や物語があるとも思う。その中で本書から見えてくるのは、「人を救う言葉」と「人を支配する言葉」は紙一重だということだった。
細木数子という人物そのものよりも、周囲がその力を許していく構造である。怖いから逆らえない。人気があるから止められない。数字が取れるから使い続ける。そうして、強い言葉や放言が社会の中で大きな力を持っていく。
不安なときは、道を探したがる。その道を示す言葉が相手のためなのか、それとも相手を従わせるためなのか。そこを見失うと、「導き」は簡単に「支配」へ変わってしまうのだと思った。
ドラマと本を続けて触れたことで、細木数子という一人の人物を通じて、占い、メディア、金、権力、そして人間の弱さについて考えさせられた読書になった。
Posted by ブクログ
ドラマ「地獄に落ちるわよ」の原案になったと知り、興味を持ち読みました。
面の皮が厚すぎて滑稽にも見える細木さんに、筆者の評価はなかなか辛辣で面白い。
この事実通りにドラマを作るとあまりに細木数子に魅力もないので、ドラマはうまく細木側の履歴書も織り交ぜながら魅力的なストーリーに構成されてるなあと思いました。
最近ミステリが不発続きなので、こういうノンフィクションを読んでいこうかな、と考えるきっかけになりました。
Posted by ブクログ
Netflixで「地獄に堕ちるわよ」を観て細木数子に興味を持ったので読んでみた。俺自身、思春期以降テレビのオンエアを観るということを全くしていなかったので、そう言えばなんか占いの本を書いてたおばさんか、程度の認識だった。ドラマでは美化されていた、とまでは言わないけど、やはり物語として成立させるために虚構が作り込まれる(これは冒頭のクレジットで「事実に基づいた虚構」とされていることからもわかる)。そこで参考文献とされる本書を手に取ってみた。
さて、ドラマでは基本的に「えげつないこともするけど戦後の飢えを生き抜いた欲望に忠実な女性」って感じに収まってると思うんだけど、本書を読むとそれどころじゃないのがよく分かる。かなりまろやかにして物語的に盛り上がるエピソードを抽出してるのはもちろんなんだけど、実際は年もサバを読むわ、管理売春をやってた恐れがあるわ、六星占術は他の占いの丸パクリだわで、欲望の強い人物なのはもちろんなんだけど、普通に清濁どころかもっと濁ったものまで併せ呑む人物だった。ドラマの内容を補強する意味では面白かったし、ドラマで描かれた人物像の奥に何があったのかを知るにはかなり興味深かった。
興味深いのが、筆者の溝口があとがきで「日本人の生き方は何種かにパターン分けできるかもしれない。細木を通して日本人のある種の姿を追求できるかもしれない。」と書いていること。確かにこの時代、細木のような人間、言うならば倫理無視欲望優先型の人間は沢山いたんだと思う。ただ彼女の場合は、極端にメディアに露出した点が突出していたのかなあと思う。この考え方は結構面白いなと思うし、溝口が細木の中に見た生き方のパターンとはどういうものだったのか。
しかし、ついさっきまでヒロインとしてドラマで観ていた人間がめちゃめちゃにこき下ろされているのはどうにも心苦しいものがあった。また、批判をされて当然の行いは枚挙に暇がないわけだけど、解説で鈴木エイトが言っていたように、溝口が細木の身体的特徴などを揶揄するところは大変見苦しかった。また、週刊誌同士の記事合戦のような描写やスラップ訴訟のあたりに至っては、もう面倒くさくて読みたくなくなるくらいだった。
溝口敦のドキュメンタリーは他にも読んでみてもいいかなとは思った。
Posted by ブクログ
ライターの鈴木智彦氏が師と仰ぐ溝口敦氏は暴力団取材において百戦錬磨のライター。
その筆致は今回も痛快でした。(時代性もあってコンプラ的に?なところも多々ありますが)
Netflixでドラマ化されたのを機に読んでみましたが、戸田恵梨香が演じるほどの人物なのか?とおもいましたね。
当時から苦々しく思っていた彼女の存在だったので、その嫌悪感を裏付けてくれる彼女の過去や手口には辟易とさせられ、読んでても気分が悪くなるようでした(溝口敦は悪くない)
各メディアも、当時を振り返って同じことの内容にして欲しいと思いますが、ま、無理かな。
視聴率さえ取れれば何でもやる、発行部数が伸びればお構いなし、そんなメディアは無くならないのでしょうね。
せめて情報は自分で正しく取捨選択しないと。
しかし、占いってなんでそんなに人気があるのだろうか?不思議でしょうがない。
Posted by ブクログ
細木数子の一生
まぁそういう時代だったんだなって。
でも流行った、大殺界とか結構みんな信じていたような気がする。
RADの歌詞にも出てきたし。
今思えば芸能界や政治などの権力者は暴力団と密であったと思うし、社会はそんなにクリーンではないと分かっている。フジテレビ問題や日テレの漫画家死亡やTOKIOの件とか見ればなんとなく察する。それが今より昔の方がやりやすかったのだと思う。
細木数子のことを良くは思わないけど、でも愛人と本妻がいるような環境で育ち、戦後の時代を上手に生きたのではないか、やっぱり人間行動することが人生を変えるのだなと思った。あそこまで行動することは普通の人間には難しい。だから凡人の人生になる。悪女にも魔女にもなれない。
Posted by ブクログ
ノンフィクション作家の溝口敦さんが2008年に刊行した細木数子の半生を描いた書籍が加筆修正され新装版として文庫化。Netflixにて戸田恵梨香主演でドラマ化され、この本が参考文献と表紙に書いてあったので、買ってしまった。
ドラマの内容もいわゆるヤクザとズブズブの関係だったストーリーであるが、ドラマは戸田恵梨香演じる細木数子が戦後の貧しい中でミミズを食べ、貧乏を恨み、成り上がっていくさまには多少の憐れみ?に似た同情する気持ちもあった。
しかし、このノンフィクションを読むとこれが事実なら、怖いと思った。
売春斡旋、ヤクザとの深い関係、インチキ占いの数々…ゴールデンで見た彼女の冠番組は僕も面白がって見ていたから、そこまでの悪行をしている人だとは思えなかった。この本に書かれていることが事実であることが前提なら、気持ち悪いし、視聴率のためにこの魔女を大々的取り上げたマスコミの罪は大きいよね。
いま細木数子の養女が同じように占い師として活動しているようだが、このドラマや新装版の本にはかなり打撃を受けてるだろうな…まあ僕には関係の無い話だが。
Posted by ブクログ
ネットフリックスシリーズ『地獄に堕ちるわよ』参考文献!稀代の女やくざが生き抜いた色とカネと暴力にまみれた欲望の戦後史!――「地獄に落ちるわよ!」の決めゼリフでテレビ界がひれ伏した恫喝の占い師を、カネにあかせた6億円の訴訟と広域暴力団最高幹部からの圧力にも屈せずに表舞台から引きずり降ろしたジャーナリズムの金字塔!
渋谷の青線地帯で生まれ、銀座、赤坂の夜で育った「魔性の女傑」――。暴力団幹部と深く永い契りを交わし、人気絶頂の演歌歌手から歴代首相の指南役までを手なずけ、「世界一の占い師」として巨富を得た稀代の女ヤクザの実像と正体に斬り込んだ、溝口敦だからこそ書けた真実!
(目次)
文庫版のためのまえがき
序 章 時代の「寵児」なのか?
第一章 妻妾同居の家に生まれて
第二章 色と欲の「同行二人」
第三章 小金井一家・堀尾昌志との深く永い契り
第四章 他人のふんどしで占い師・細木の土俵入り
第五章 島倉千代子というカモネギが来た
第六章 歴代首相の指南役・安岡正篤をたぶらかす
第七章 細木を使うテレビ局の無残な無定見
第八章 「神水から墓石まで」の細木商法
第九章 墓地が炙り出す「最愛の男」
終 章 低俗な時代を謳歌する女ヤクザ
付 記 「反論と訴訟」という墓穴
解 説 鈴木エイト