【感想・ネタバレ】風と雅の帝のレビュー

あらすじ

第30回中山義秀文学賞受賞作品! 歴史から“消された”天皇がいた――。皇位継承が持明院統と大覚寺統で交互に行なわれていた鎌倉時代後期、量仁(光厳天皇)は持明院統の期待を背負い即位した。しかし、幕府が倒される際に捕えられ、前帝・後醍醐によって即位自体を否定されてしまう。後醍醐と敵対した足利尊氏に擁立され、光厳は“治天の君”の座につくが――。南北朝の動乱を生き抜いた光厳天皇を描いた、著者渾身の歴史長編小説。

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Posted by ブクログ

 歴代から消された北朝初代天皇であり、南北朝の動乱を生き抜いた光厳天皇の激動の生涯を描いた歴史小説。

 500ページを超える大作でしたが、すっかりその歴史の中に没入して読み終えてしまいました。

 いわゆる太平記の時代が舞台であり、自分はあまりなじみのない時代でしたが、まさに動乱の時代であったことを再認識しました。

 当時の複雑な皇室の在り方、武士としての生き様や貪欲さ、そしてそれぞれの駆け引きなども描かれ、歴史小説としての醍醐味を十分に堪能することができました。

 そして、光厳天皇については、私の歴史の知識の中には今までなかっただけに、この動乱に翻弄されながらも、天皇としての生き方を全うしようとした存在だったということに、とても感銘を受けました。

 また、この作品のタイトルのもとになっている「風雅和歌集」という勅撰和歌集を光厳天皇が中心となって編んだことを初めて知り、その和歌集に懸ける光厳天皇の熱い思いも伝わってきました。

 光厳天皇が筋トレにはまっていたり、あの「逃げ上手の若君」が時々物語に絡んできたり、著者らしいスパイスがいい感じで味付けされていました。

 今、まさに皇位継承について、国会で議論されていますが、日本の未来を見据えて慎重に考えていかなければならないとこの作品を読んで、改めて思いました。

 そして、読み終えた今、間違いなく、私の歴史小説トップテンに入る傑作だと感じたところです。

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2026年06月20日

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