あらすじ
わずか1年で、学級崩壊した小学5年生の子どもたちを大きく成長させたコミュニケーション教育が、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介され大きな反響を呼びました。その主役、著者の菊池省三先生は「学級崩壊立て直し請負人」と呼ばれ、全国の教師の指導者として活躍しています。
菊池先生が、現役教師から全国の教師の指導者として活動を開始し、10年以上が経ちます。
全国で行ってきた飛び込み授業は3000時間を超えます。いま公立小学校の現状をもっとも知っていると言っても過言ではありません。
その菊池先生が、「以前の学級崩壊は数人の問題児が原因だったが、現在は教室全体が無秩序状態」となった「子どもたちの危機だ」、と本書執筆を決断しました。
今、小学生の身に何が起こっているのでしょうか?
●端末一人一台が当たり前となり、授業中YouTubeを見たりゲームに興じている子どもがいるのは、生徒が教室から飛び出さないために許容しているケースも見られます。
●不登校小学生は13万人と言われます。じつは教師が疲弊し、対策をとれないという現状も。
●全国学力テストが教師に与える影響が大きく、型にはめる教育の要因の一つになっています。
学力テストの結果が、県だけでなく、校区ごとでも成績が出るため、学力アップが至上命題に。
「給食時間用の課題プリント」「おとなしく授業を受けさせるため足型に合わせて座らせる」「学力テストの結果をよくするため、成績の悪い子をテスト日に休ませる」などなど。
●気持ちの伝え方を学べず、苛立ちから器物破損など暴力行為につながるとの分析もあります。
本書では、子どもたちの置かれた状況を明らかにします。とともに、日本の未来を担う子どもがしっかりと生き抜く力をつけるための解決策として、家庭でもできるコミュニケーション能力を伸ばす方法を提案します。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
菊池先生の思いや、具体的な実践をわかりやすく、凝縮されたすごく熱い一冊です。
何度も涙する話がありました。今までの、自分の指導を省みる機会にもなりました。そして、自分が子どもの前にこれからどうやって立つのか、覚悟を決める一冊になりました。全教員が読んでほしい一冊だと思います。
Posted by ブクログ
「型にはめる」という指導が、子どもの自由な思考を妨げる可能性があること、そしてそれが場合によっては学校(教室)におけるマルトリートメント、すなわち教育虐待につながりうるという指摘に、大きく考えさせられた。
指導のつもりで行っていることが、子どもの可能性を狭めてしまっていないか。日々の実践を見直す必要性を強く感じる。
また、本書を通して、コミュニケーション教育の重要性も改めて認識した。良い学級とは、児童同士の健全なコミュニケーションが成立していること、そしてその土台として教師が秩序を示していることで成り立つのだと思う。
これは単なる技術論ではない。教師としてどのように在るのか、その軸そのものが問われている。
自分自身の実践と向き合い直すきっかけになる一冊だった。
Posted by ブクログ
特に教育に携わっている、という身ではないが、子やZ世代と言われている年齢の若手社員との接し方の参考になるのではないかと読み進めた。
当たり前の話なのだろうが、褒めると叱るはそれぞれ必要なんだな、ということをあらためて認識。
本書では後半、教育の具体的な事例として過去の成功例が記されているが、現場に立つ教育関係者が読んだ場合は指針にもなり得るが、それはそれでプレッシャーになりそうな成功事例だなぁ、と。
Posted by ブクログ
■要約
・子どもの不登校理由が学校側と子ども側で微妙に食い違っている。
・教員と子ども、子ども同士のコミュニケーション不足が問題⇒「コミュニケーション科」の実施。
・相手の話を聞き、自分の考えを伝える力を体系的に身につける。
・絶対的な正解はなく、自分と相手から仮説をかき集め一番納得できる解を導き出す。=納得解
・7つのカテゴリー
①人との関わり
ほめ言葉シャワー、質問タイム、成長を祝う会
②言葉への興味関心
価値語:教室オリジナル言葉、標語など
笑い:ゲームや謎かけで言語感覚を養う
③即興力
コミュニケーションゲーム
演劇
④自分らしさ力
パフォーマンス力:スピーチの時の声や態度
プレゼンテーション力
⑤対話、話し合い力
子ども熟議
ディベート的話し合い
⑥議論力
学級ディベート
⑦社会形成力
学級会の充実、子ども座談会、係活動との連携
・これからは学習意欲が重要
・一方、秩序(価値観)を示し、ルールは生徒が作る。→待ちはしない。時には厳しさや強制力
■感想
・絶対解が「そこに合わなかったらダメ」という減点法なら、納得解は逆に「ここはいいよね」という加点法です。⇒人って加点式だと思う。減点式の人とは考えが合わないな。
・褒めは年齢に応じた理由⇒確かにただ褒めるは脳死。言われても嬉しくない。相手の年齢、ニーズ、求めているものに合わせて理由づけをして褒める。