【感想・ネタバレ】人はなぜ言葉を話すのか? 「言語の起源」をめぐる人類の物語のレビュー

あらすじ

【推薦の声、続々!】
「これはフィクションではない。最高に面白いサイエンスの本だ。」
──今井むつみ(認知科学者、『言語の本質』著者)

「言語は化石に残らない。だからこそ、その起源をめぐる論考が推理のようで面白いのだ。」
──鈴木俊貴(動物言語学者、『僕には鳥の言葉がわかる』著者)

「今まで知らなかったことを教えてくれ、考えたこともなかった考えを刺激し、私の心を新しい方向へと駆り立てるような本が大好きだ。ヨハンソンの『The Dawn of Language』は、まさにそんな本である」
──リチャード・ドーキンス

私たちはなぜ言葉を話すのか? 「言語の起源」という人類最大の謎に魅せられた著者は、素粒子物理学者のキャリアを捨て、言語学の森へと入っていった。ハチの尻振りダンスは言語なのか。ナイチンゲールはどうして歌うのか。なぜ類人猿は言語を進化させなかったのか。さまざまな動物たちのコミュニケーションと比較しながら、言語の本質とは何かを一つひとつ確かめていく。言語学・古人類学・進化生物学・脳神経科学などいくつも学問分野の知見を織り合わせ、言語進化の謎について緻密で美しい文体で迫るポピュラーサイエンス。ドーキンスが絶賛したスウェーデンの言語学者、そのデビュー作にして代表作。
監訳・解説 今井むつみ

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Posted by ブクログ

なかなか難しくて読み応えある本。最後のサマライズがあったおかげで「あぁ、大体理解できてた…(ほっ)」となる。表紙や娘さんとの会話から始まるところに凄く惹かれて読んだ本。言語の起源に関する説についてはなるほどなぁと思う。人である以上、信頼とかそういうものをやっぱり大事にせにゃいかんのだなぁ、とつくづく思わさせられた。

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2026年07月19日

Posted by ブクログ


①言語以前の能力
群れの信頼関係、助け合いの本能
他の個体を模倣する能力
発声器の獲得
 音を真似る能力
広める欲求
 気づいたことはなんでも共有したい
創意工夫

②プロト言語の発生
 先に行動が変わりその後に遺伝的適応が起こる
 言語とジェスチャーの混合
 100万年前
 なんとなくこの辺で音楽が生まれてそうな感じある
 ホモエレクトゥスのあたり


③人間の言語への適応と、言語自体のブラッシュアップ
 ネアンデルタール人→3万年前絶滅
 デニソワ人
 20万年前くらいから急速に進む
 このへんからホモサピ
 社会、文明の発展もこの頃から
 コミュニケーション(音声、ジェスチャー、リズム、抑揚)→ 言語、音楽、ダンス、儀式に分化していく

孔雀の羽、ヘラジカのツノ
 健康、遺伝的に優秀であることをコストをかけて発信している。通常これらのシグナルはコストがかかる必要がある。コストがかからない分数世代で全ての子孫に広まって、そのシグナルにこだわる個体がいなくなる。


嘘を見抜く適応
 他を信頼することが前提で言語が生まれる。
 言語が現実を語ることが前提で嘘という概念が成り立つ。
 人間は抽象的な問題よりも社会的な問題を解決する方がはるかに得意。
 自然な原因を探すよりも、事象に意図(目的)を見出そうとする。

チンパンジーの利き手は50/50
 人間の利き手の偏りは明らかに遺伝的。

人の幼年期の異常な長さ
 幼年期に人間の成長は一時停止している
 6歳で脳の大きさは成人サイズ、体は半人前
 10代後半で体は一気に成人に到達する

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2026年07月11日

Posted by ブクログ

\\ 言語はロマン✧ //

人間の文化である言語はどこから始まったのか。
カタチのない旅の始まり。

◇◇◇◇◇◇

【タイトル】人はなぜ言葉を話すのか?「言語の起源」をめぐる人類の物語
【 著者 】スヴェルケル・ヨハンソン/監訳者:今井むつみ/訳者:大久保彩
【 出版社 】SB クリエイティブ

◇◇◇◇◇◇

言語は、

「他の人間とコミュニケーションをとりたい」
という人類に共通の欲求が背後にある。

⇨人間が一般的な認知能力を社会的相互作用に応用するなかで自然に生じたもの

◇◇◇

☆人間の喉で発音できる、あるいは人間の手を使った手話で表現できるものでなければならない。

☆人間の脳で扱えるものでなければならない。

☆人間の子どもがそれなりの期間内に習得できるものでなければならない。

だとも。

ほぉ。
言語は『人間』がキーワードになっているのですね!

◇◇◇◇◇◇

しかしながら書籍の中には、
書籍内には人間以外にも興味深い動物たちがたくさん出てきています。

例えば、

オウムのアレックス。
「Q.3個あるものは何?」⇨「A.緑のボール」
というように、形状や色、数についてなど数種類の質問に答えることができた。

チンパンジーのワショー。
数百種類の手話を習得

ボノボのカンジ
オムレツを作ったり、ロープを切ったり、パックマンをしたり!?

チンパンジーのサンティーノ。
日々来園者を狙撃する準備を整えていた。⇨計画を立てられる動物だと言われたという。

しかしながら、
馬のクレバー・ハンスの回答力については、質問者の体の弛緩を見抜き、それに合わせて即座に叩くのを止めていたということがわかった。

ご褒美が欲しいからそう進化したのか!?

とか。
見極めは難しいが、人間並みに能力が発達していた動物たちも見られているんです。

◇◇◇◇◇◇

では、再びヒトに戻り。

Q.最初の話者こそが最初の言語使用者だったのか??
⇩
A.言語がはっきり声に出されるものとして始まったかどうかはまったく明らかではない。

それはもしかしたら、

①頭の中でだけ使われていた?
②手話言語だった??

とも言われているんですって!へぇー

◇◇◇◇◇◇

ちなみに私が、深く惹かれた部分はやはり子どものことについて記述された部分でした。

⇩

『子どもは学校に通い始める頃には母語で1万語近くを理解できるようになるが、7歳の場合、この時点で言語に触れ始めてから2000日余りしか経過していない。
これはすなわち、1日に新たな単語を5個、毎日毎日、何年も習得し続けてきた。』

子どもは2歳頃になると言語爆発をし、
50語⇨200〜300語に爆発的に増えるんです。

きっと、その頃から始まり、日々新しい語を習得していくんだろうな。

と不思議かつ人と言語の関わりを改めて考えるきっかけになりました。

◇◇◇◇◇◇

など×②

興味深いテーマが、山のように。
そして深海にまで潜っていけます✧

ぜひこの夏、本書を手にして『言語の起原』を知る探索に出かけてみませんか✨

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2026年07月30日

Posted by ブクログ

なぜ人間は言葉を話すことができるのか、そしていつ人間は言葉を得たのかに関する考察。言語学、進化学、脳科学、考古学などの広範な知見を基に論じている。
基本的には言語は人間だけのものという立場。鈴木俊貴先生の動物言語学の議論と照らし合わせてみると面白いのではないかと感じた。

まず、そもそも言葉とは何かを論じる。ヒト以外の動物(ミツバチ、イルカ、など)のコミュニケーションについても論じ、それらが言葉である可能性を完全に否定はしないものの、明確に言葉を持っているのは人間だけだとする。
特に、類人猿ということで、チンパンジーが本書には多く登場する。チンパンジーは種々の研究によって原始的な言葉を習得するくらいの認知能力をもっているが、それにもかかわらず、自然状態では言葉を発達させない。「できるのにやらない」とも言える。
また、古代の人間、たとえばアウストラロピテクスには言葉はなかっただろうとも論じる。
ただし、骨格の特徴から、少なくとも100万年前の人類は言葉を持っていたし、ネアンデルタール人は我々と遜色ないくらいのレベルで言葉を操れただろうとしている。

ダーウィン的進化論の観点から、言葉が進化するに足る条件を探っていく。
言葉が淘汰圧を引き起こすだけのメリットがあることは概ね自明だから、どちらかというと、他の動物が言葉を進化させなかった理由について探っている。なぜ他の動物が言葉を使わないか(または、使えないか)を明らかにすることで、逆に、人間が言葉を使える理由を明らかにしようというわけだ。

筆者の主張は、だいたい終章にまとめられている。
それによれば、原始の言葉は、人類進化の初期に誕生した。発話による言葉と手話的なジェスチャーとの混合として始まり、少しずつ進化してきた。そして、言語を可能とする能力よりも、むしろ話すことへの意欲を持つような性向が言語発達に大きくかかわっている。

筆者が重視していることの一つが、人間社会の協調性だ。
言葉では簡単にうそをつくことができる。互いを信頼しない社会では、うそが蔓延し、言葉の有用性が発揮されないから進化しない、だから協調性が言語進化の必要条件になる、という理論だ。
…が、個人的にはこれは説得力に欠けるように思われた。
自然界にも、擬態したり、死んだふりをしたり、実際より体を大きく見せたりして、比較的低コストな手段でうそをつく動物はたくさんいる。だが、必要に応じてうそをつかれた側にも対策が進化するので、必ずしもうそをつく側が一人勝ちという状況にはならない。
人間においても、うそをつくことは容易かもしれないが、うそを見破る技術も進化しうる。見破れないうそをつくことは、それ自体が高度な能力を必要とするだろう。うそをつくとペナルティが与えられる場合もある。
言葉によるうそが、他の手段によるうそと比べて、必ずしも簡単でローコスト・ローリスクとは言えないし、うそを防ぐための手段としてわざわざ協調性を持ち出さなくても良いのではないか。
また、初期の言語は、もっぱら「今、ここ」にあるものを語るものであっただろう。それならば、そもそもうそをつく余地は少なかったのではないか。

また、協力関係の進化の原因として、出産時の協力(助産師)を挙げている。
だが、本書で紹介されているのは血縁のある者の協力関係なので、出産の場面に限らなくても協力関係は進化しうるのではないだろうか。
コミュニティがこのような血縁関係であれば、特別な協力関係の進化云々を持ち出さなくても、互助関係が自然に進化しうる。そのような状況下ならば、わざわざ助産を持ち出さずとも、うそをつかずに互いを利することが、進化的にも自然なのではないだろうか。

鳥の歌のような機能から言葉が進化したという説に対して、言葉は両性が話すことができるから否定的だと論じているが、この論拠も疑問だ。
性淘汰で片方の性に進化した形質であっても、その形質を可能とする遺伝子は他方の性にも等しく受け継がれていく(性染色体に乗っているのでない限り)。それが片方の性だけの形質となるのは、そう発現するように調節されているからに過ぎないはずだ。
仮に当初は片方の性だけで発現していた形質だったとしても、それが言葉のような汎用性のある機能であれば、やがて性による発現調節が外れて、両性で等しく発現するというのは、十分あり得るのではないか。

疑問を感じるところもあったが、言語に関する大量の知見を得ることができて勉強になった。
最初の言語を探求する本だが、結論としては、言語は漸進的に、そしてもしかすると多発的に発生した。したがって、最初の言葉をどこで、だれが、何のために使用したのかという問いはほとんど意味をなさない。

面白かったところのメモ:
心の理論。今・ここにない物事を考える能力。チンパンジーは、このようなことを考えることができるが、それを表象する能力を通常は持たない。
チンパンジーは人間の子供と同じくらいの認知能力を持っている。また、訓練によってコミュニケーション能力を持たせることは出来る。しかし、それを率先して使おうという意欲に欠ける。
世界中の言葉の文法は、ある程度の規則に当てはめることができる。これは、人間の認知が言葉を規定していることの証拠なのか。(ただし、著者は、人間の脳に生得的に文法を生み出す機能が備わっているという立場には反対である。)

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2026年09月24日

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