【感想・ネタバレ】曇天に笑う 6巻のレビュー

両親を殺された曇(くもう)三兄弟が力を合わせて暮らしてる明治維新後のお話。
親代わりの長男は楽天家で人望厚い剣の達人。次男は努力家で真面目だが力及ばず悔しがる日々。末っ子は幼く素直で兄2人を慕っている。
曇神社に住む三兄弟は、琵琶湖に浮かぶ脱出不可能な巨大な監獄へ罪人を護送する役目を担っている。三百年に一度あらわれるオロチによる破壊を阻止するための組織や、新政府の転覆を企てる闇の組織など、緊迫感ある展開。

弟たちが苦難を乗り越え少しずつ大人になる姿に涙ッッ!いつだって「笑え!」と励ましていた兄があんなことになって涙が止まらない弟たちにまた涙ッッ!信頼していた仲間の裏切りに涙ッッ!地獄のような日々の中のささやかな幸せにまたまた涙ッッ!暖かな兄弟に、心揺らぐ刺客の気持ちも良くわかる。

『曇天に笑う』全6巻の他に、その後を描いた『曇天に笑う 外伝』と、三百年前の曇神社を描いた『煉獄に笑う』もオススメです!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

宙太郎とかどうやって絡むんだろうと思っていたのだけれども、全ての主要キャラが大蛇退治にそれぞれの役目を果たしていて、その構成力に唸らされました。
特にずっとヘタレだった次男君と犲の次男ポジ、武田君が主人公(&ライバル)と化す自然な流れと因果、主人公然とした堂々とした決着にはアドレナリンが湧きまくり必至。脱皮したのは大蛇やなくてむしろ君等のほうやで。
一方で、この作品の最重要キャラの一人でもある白子についてはホントいやらしい幕引き(しかも、そこに至るまでの半身との会話が回収しないことを前提とした伏線になっているという……)で、これだけの大団円で翳というかもやもやが残る作品ってあまり例がないと思うのですが、悲劇の連続からハッピーエンドに向かったストーリーの締めをピリッとさせるアクセントとなっていて、こういうとこにも作者のセンスを感じる次第。
同じく後日譚が気になる嘉神のほうはおそらく大方の読者の期待通りの遷移をしながら、その心情の描写の巧みさが際立つとともに、宙太郎の気絶際に返した一言がこれまたやるせない。

ハッピーエンドなのに、決して明るくない結末。実に好みな作風でした。

あ、そうそう。おそらく誰も特に期待していなかったであろう芦屋がずっと口許を隠している理由も地味に回収されましたねw

※ところで、作者あとがきによると、この巻はけっこうな作画ピンチ状態だったそうで、確かにモブが不安定だなと本編読んでる時にときどき思ってました…が、まあ全体のクオリティには影響しないレベルですね。

※あと、嬉しいお知らせ。
曇天本編はこれにて完結…だけれども、番外編2作品スタートも楽しみ!特に300年前の天正編((o(´∀`)o))ワクワク

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2013年08月18日

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