【感想・ネタバレ】ミッテラン 現代フランスを率いた理想と野望のレビュー

あらすじ

フランス大統領を2期務め、欧州統合の礎を築いたフランソワ・ミッテラン(1916~96)。
社会党初の大統領として、東西ドイツ統一や冷戦終結など国際政治の激動期を導いた。一方、青年期にはナチスに協力的なヴィシー政府で働いた過去や、大統領期に新自由主義的な政策を実施したことから、権謀術数を駆使した「政治屋」と揶揄する声も多い。
毀誉褒貶ある足跡から、戦争と革命の20世紀とフランス現代史を辿る。

■目次■

まえがき

第1章 フランスの地方に生まれて――「王か法王になる」

第2章 世界大戦との出会い――「フランスを中から目覚めさせる」

第3章 政界のホープ――「野心は統治者になることに尽きる」

第4章 大統領への道――「革命とは決別のことである」

第5章 社会主義から欧州統合へ―― 「私はヨーロッパ建設と社会正義の間で迷っている」

第6章 ドイツ統一とポスト冷戦時代の始まり――「自らの手でヨーロッパを作り出す」

終 章 フランスの歴史と政治――ミッテランが遺したもの

あとがき
写真出典
主要参考文献
ミッテラン略年表

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ランス大統領を2期務め、欧州連合の礎を築いたフランソワ・ミッテラン。社会党初の大統領として東西ドイツ統一、冷戦終結など激動期の国際政治を導いた。

最近、ド・ゴールの評伝とか『アルジェリア戦争』とかを読んで気になったので読んでみた。子供の時にずっとフランスの大統領だったな〜くらいの記憶しかない…。戦争中の行動とか暗殺未遂の自作自演疑惑とか黒い部分もあったり、激動の時代を切り抜けたり、シラクとの関係、隠し子と色々面白い。現代史ってあんまり知らないから読むと面白いな。

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2026年05月12日

Posted by ブクログ

右派からペタン政権勤め、そして共産党を取り込みながら左派政権へと変遷したミッテラン。この毀誉褒貶をどう見るか。ドイツでの捕虜経験もあるミッテランが、ペタン政権で働いていたことや、警視総監としてユダヤ人追放の任にあたったルネ・ブスケとの親交があったことなどで批判されていること、これはエリー・ヴィーゼルとの対談でも最後まで追及されているが、この過去と、左派大統領として歩んだ人生後半をどのように評価するかの判断材料が詰め込まれている。
ナチ親衛隊員だったクラウス・バルビーの逮捕にも消極的だったといわれるが、ミッテランは「古傷はあばいてはならないし、ものごとは白黒ではなくグレーだ」といい、自身の来歴だけでなく、過去を断罪する意識に比して、歴史はあまりにも複雑に成り立っていると言っている。例えば、戦後のナチ協力者に対する「粛清」で約1万人が法廷外で殺害されていることなどを考えると、ミッテランは戦争が残した瘡蓋をひきはがしたくなかった、という分析には首肯できる。ただ、少なからず命を賭してナチと対した人もいたわけで、ミッテランの毀誉褒貶を正面から理解することもやはり、その時代を生きなかった私にはなかなか難しい。

ミッテランは敵も多く、1959年、暗殺未遂らしき事件も起きている。これがブラッスリー・リップで会食後のこと。真相は闇の中だが。ちなみに74年にポンピドゥーが白血病で急逝したのを知ったのもリップでの夕食中。ミッテランにブラッスリー・リップはどうも似合わないように思うけれど、好きだったのね、という新発見。
ミッテランの言葉で印象深いのは「問を見つける者は好きだが、答えを出す者は怪しいと思うこと」。

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2026年05月06日

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