あらすじ
富士山――。美しく弧をえがいて屹立する、その美麗な姿は、私たち日本人の心をとらえてやまない。荒々しく迫る山肌、清らかに流れる湧水、鬱蒼と生い茂る森林。長年、富士を間近で見つめてきた著者をガイド役に、その豊かな自然を旅する。七つの案内コースをめぐりながら、世界に誇る富士山の魅力を存分に味わう。[カラー口絵14頁]
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Posted by ブクログ
副題に「道案内」とあるように、富士山のエリアごとのガイドブックの形式を採っているが、内容は単なる観光案内・登山案内とは程遠く、富士山の地学的情報がコンパクトに整理されている。特に貞観と宝永の2度の大噴火に関しては独立した章節を設けて、歴史学的な分析に踏み込んでいる。過不足なく、図版も多く、防災や環境保全・保護への問題意識も明快で、非の打ち所がない著作である。
Posted by ブクログ
富士山を中心として、空間、時間を広くカバーした、しかし簡潔にポイントをついた、そんな本です。かつて「伊豆の大地の物語」という本を読み、とてもおもしろかったのですが、同じ著者でした。
現時点で累計15回富士山に登っています。この本を読んだあとは、またこれまでと違う視点で登ることができるでしょう。来シーズンもまたたくさん登ろう!
Posted by ブクログ
富士山の生い立ちを地質学的に解説しながら、富士山の回りを一周するガイドツアーとなっている。内容的には非常に深いながらも、現在観光スポットとなっている場所から、富士山の歴史に思いを馳せる事が出来る様になっている良書だと思います。
本書を読んでから富士山、富士五湖を始めとするスポットに再度訪れてみれば、確実に視点が変わっていて新たな楽しみが広がると感じます。
容姿端麗な富士山は今だけだということがわかりました。自然の時間軸は人間の営みと比較してかなりゆっくりではありますが、確実に変化はしています。本書を読めば、その変化を恐れるばかりではなく、変化そのものを楽しめる様になるでしょう。
世界ジオパーク認定を目指すべきであるという著者の主張もよく理解できました。