あらすじ
1930年代初頭。ハリウッドに勝利すべく始まった日独合作のホラー映画撮影は、やがてファシズムの恐怖を予見する不気味な熱を帯び始める。ヘルマン・ヘッセ賞受賞、衝撃の歴史改変小説。
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Posted by ブクログ
表紙の雰囲気からホラー小説かなと思って読んでみたら全然違った。
舞台は主に1930年代の大日本帝国。
歴史上の人物、甘粕正彦やチャップリン、犬養毅などが登場し、史実とは違う展開が風刺的になされる。
スイス出身の映画監督ネーゲリと、甘粕正彦の二人の生い立ちや立場が交互に描かれており、なるほどこの二人が主役なのだな、この二人が一緒に映画を作るところを読むのだなと思ったら、思わぬ方向に話が転がっていき。
後半急展開で一気に読んだ。すごいところに着地した。
あの文章はどういう意味で書かれたんだろう、どうしてあの人物はこのような行動を取り、どうしてこのような展開になったのだろう、という不思議は示されるだけで明かされず、それぞれに考察するしかないのかと思った。そこが良いところだとも思った。
あと文章がとてもいい。程よく硬くて甘美。
私は歴史に明るくないので、甘粕正彦が実在する人物だと知らないまま読み終わった。
訳者あとがきによる解説で知った。
その上で面白かった。
映画や歴史について知識があったら、考察が捗って楽しいだろうなと思った。
訳者さんにはぜひ他のクラハト作品も訳して欲しい…他のクラハト作品もぜひ読みたい。
Posted by ブクログ
総じて楽しかった。
甘粕が寄宿舎を焼くエピソードがいい。
三島由紀夫が出てきた時は爆笑した。
歴史、実在の人物、フィクションが相互に絡み合い象徴的な場面を通して表された、まさに現代小説。
文体は間接話方をメインに扱っており、勢いのある文章展開を味わえる。
Posted by ブクログ
なんとも不気味な表紙が印象的な一冊。甘粕大尉とチャプリンが登場し、帝国ホテルがが舞台の一つにもなっています。冒頭の切腹シーンから最後のなんとも悲惨な幕切れまで、一歩間違うと荒唐無稽にもなりかねないストーリー展開に、何故か惹きつけられました。