あらすじ
新橋の老舗蕎麦屋の若女将、倉橋日登美が直面した信じられない現実――。父と夫と長男が、住み込みの少年に惨殺されたのだ。幼い娘の春菜とふたりとり残され、茫然自失の彼女のもとへ従兄と称する神社の禰宜が現れ、信州の日の本神社へ里帰りするように勧める。従兄によると、26年前、実母は生まれたばかりの日登美を連れて、ある日、忽然と村から姿を消したのだというが……。長編ホラー。
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日登美と日美香の二部構成。
途中、蛇神の説明部が少し読みにくかったものの面白く読み進める事ができたと思います。三部作との事なので、続きも読みたいと思います。
Posted by ブクログ
本当に怖い過疎った田舎(宗教団体)
日本神話に興味がないとかなり辛いと思うが好物なので問題なかった。
話のスケール大きくなり過ぎな気もする。
ホラーではなくサスペンスでは?
Posted by ブクログ
かつて蘇我氏との勢力争いに敗れて落ち延びた物部氏の末裔が
長野県の奥深い村で大神信仰を守り続けており、
そこでは古来から続く陰惨な祭りが現代まで受け継がれており・・・
といったやや気宇壮大な感のある伝奇神話ミステリーのシリーズ第1作。
「おいおいホントかよ(笑)感」のある神話の新解釈や神社の縁起、
蛇神信仰など民俗学的なウンチクなどは楽しめるのだが
作者の頭のなかに膨らんでいく神話と絡めた壮大な大河ストーリーに
作者自身が興奮しながらそれを書き記していくことに
いっぱいいっぱいな様子が伺えやや物語の進め方にぎこちなさがあるというか
文章そのものがストーリーを展開させるためだけにあって
読み進めていく中でのワクワク感やドキドキ感の演出まで
行き届いてないような印象を受ける。
もっと筆力がある作家が丁寧に書けばもっと面白くなった気がする
というとちょっと言い過ぎだとは思うけど、ちょっともったいない感じは否めない。
いやまあ、でも面白いです。
Posted by ブクログ
「角川ホラー文庫」ってことで身構えて読んだけど、そこまでホラーじゃなくて安心しました。
伝説の部分とか適当に読んでしまったり、気持ち悪い描写もあったけど次作が気になるという点は魅力だった。
Posted by ブクログ
長野の奥地に、天照大神~物部氏という、日本の神話から創生に関わった子孫が隠れ住んでおり、その隠れ里で行われる奇祭に、村から離れ住んでいた、日女(ひるめ)の「血」を受け継いだ親と子が関わっていく。
ホラーというよりは、日本書紀を下敷きにした現代版ダークファンタジーで、第一部(親)と第二部(娘)で20年の隔たりが有る。「八日目の蝉」パターン?文章は非常に丁寧で、この直前に安部公房を読んでいたのもあって、読みやすいことこの上なし。
第二部も、第一部の未解決条項をきちんと消化していて、基本的に破綻もなく安心して読める。
ただし2点。一つは登場人物がこれっぽっちも人間味がなく、魅力がないため、ほとんどの人が誰にも感情移入できないであろう。非常に非現実的、非人間的な奇習に対して、ほとんど抗うでもなく、エスカレーターのように突っ込んでいってしまう。反論することが危険で拒否すべきであれば、その部分を描いたほうが、恐怖を掻き立てられるのではないか。
次に、動機が弱いのだな。「物部の頃から続いているから」というだけの奇習で「血を絶やさないために」以外の動機がない。動機がないため、都合よくぽんぽんと人が死ぬのは、過去の伝統以外で説明できないのはいかがなものか。
また、全体に漂う、狙って描かれた不快感(女性の弱い立場、性的な嫌悪感など)のようなものは、ほとんどが有ってしかるべきというものではなく、おそらくは作者の感情と、その正反対の裏返しの2通りであり、普遍的な気味の悪さというところまで消化・馴化できていないと感じる。
「痣」で次作へ繋げたのだろうが、うーん、次読むかなあ?という程度の作品だ。スリリングな展開はなさそうだしね。
Posted by ブクログ
伝奇ミステリシリーズの一作目。
神話をモチーフとした話。
閉鎖的な村に昔から伝わる蛇神信仰。
集団狂気の恐ろしさがジワジワきます。
面白いし、楽しんで読めたのですが
何だか惜しい気がします。
他の方もレビューで書かれていますが、もう少し丁寧に突っ込んでくれていたら、更に心を掴まれただろうなぁ。
高橋克彦の作品をライトにした感じ。
あそこまで口説い方が好み。
Posted by ブクログ
ラスト納得いかん!!と思ったらこれシリーズだったんですね;;続刊読まないと…。日登美さんが不憫すぎです…。閉鎖された村の風習というテーマは結構好きです。
Posted by ブクログ
(ちょいネタバレ)
えっ消化不良。
とかって思ったら、どうやら続編がある?のか?
謎だのなんだの、真相はほぼ思い当たる範囲内。
ということは、読者が求めるのは「いつ、その謎がドカーンと披露されるか!」という部分な気がする。
そういった意味では非常に中途半端。
雰囲気が良かっただけにモッタイナイ……
ホラーというより伝奇ミステリー?
で、続編はこの「蛇神」に出てきた人たちはもう出てこないのかしらん???
つーか、最後の最後、まさかの実の兄弟萌え^^;
アタクシ、こういう内容大好き、むしろ大好物ですけど。
この作品に果たしてこの要素は必要だったんですかね……?
すっごい取って付けた感。なんでこの展開???
これでは王道のBLではありませんか(て、王道のBLを良く知らんけど)。