あらすじ
私は、奥様じゃないの。透谷の妻でもない。ただのミナよ。夫は自裁、小さな娘を抱え、厳しい経済状況にめげず、向学心を持ち、英語の教師という天職を得るミナ。明治・大正・昭和を自由奔放に生き抜いた女性を描く長編小説。
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Posted by ブクログ
明治期に活動し、27歳という若さで夭折した作家・詩人の北村透谷。本作はその北村透谷の妻であり、没後は英語教師として働き続けた石阪ミナを主人公にした歴史小説です。序盤はコミカルな調子で北村透谷との出会い、ふたりの男性の間で板挟みのような形になるミナの姿が描かれていくのですが、透谷のその後を知っているだけに、楽しげな雰囲気の中にも寂しさが仄かに纏わり続けているのが印象的でした。
透谷の死以降、変わらずに透谷を大切に思いながらも、その影を重荷にはせずに、新たな道を歩んでいく姿には、胸が熱くなります。中盤以降は、一教師のまなざしから明治の学校生活、教師生活を描いた学園青春ドラマとしても楽しめるので、歴史小説はちょっと苦手だな、ってひとにもおすすめしたい一冊でした。
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北村透谷の名前は知っていたが、27歳で自死していたとは。門井さんの文章は読みやすい。心の声の吹き出し調、クセになる楽しさ。深刻な内容もるんるん気分で。「僕は政治家にはなれなかったのだから。言い換えると天下国家を覆う大説を唱えることができなかったのだから。だから小説を。小説家になります」「小説というのは偉いものだ、高邁なる精神の立ち現れだ。しかしそれはあくまでも西洋の文明社会でのこと。日本では読むほうも書くほうも単なる暇つぶしでしかない」そう…かな…。「自分で決めたことの責任は自分で負う。それが人間というものです」
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北村透谷本人では無く妻にスポットを当てるところあたりが門井作品らしいと言えるが、透谷の死からストーリーがいきなり13年後に飛び、肝心のその間のミナの米国での様子が端折って終われたのが何とも画竜点睛を欠く。 終盤の黒坂丈夫の失踪騒ぎの件もストーリーの流れとして何となく慌しく、およそ主人公の輪郭がボヤけてしまった読後感だ。
Posted by ブクログ
北村透谷と、当時恋愛結婚をしたミナ。自由民権運動を支援した、多摩地方の自由民権運動指導者だった石坂昌孝のところにきた北村と知り合い、お互い惹かれあった。
透谷の死後も英語を学び続け、留学して帰国、日本初の英語教師になった。
ミナの生い立ちや家族がミナにどういう気質を与えたのか、勉学への道を開いたのかは説得力を持って伝わってきた。
小説なので、エピソードのどこまでが本当なのかわからないが、物語の中で、今ひとつ人物たちの心に入っていけなかったので、私が流し読みしてしまった、と感じている。