あらすじ
組織の中核を担ってきた経営層や管理職、あるいは高度な専門スキルで貢献してきたシニア人材を、本書では「シニアエグゼクティブ」という言葉で表現しています。
彼らは、高い能力と豊富な経験を持ちながらも、「役職定年」から逃れることはできず活躍の場を狭められているのが現状です。その力を活用しない手はありません!
本書では、シニアエグゼクティブを迎え入れるチャンスを活かして飛躍的な成長を遂げた企業と、移籍したシニアエグゼクティブ本人の事例9件を紹介。シニアエグゼクティブ活用の現場を取材し、その成果や波及効果を探りました。そこから見えてきたのは、シニアエグゼクティブの驚異的な課題解決能力。しかし、企業の課題と、シニアエグゼクティブの能力がうまく合致しなければ、効果は望めません。最終章では、実際に企業はどのようにシニアエグゼクティブを活用すれば良いか、その一歩を踏み出すための具体的な道筋を示します。
中堅・中小企業やベンチャー企業を新たなステージへと押し上げ、日本経済の活性化にもつながるシニアエグゼクティブの可能性を追究する一冊です。
【目次】
はじめに
第1章
生産性向上、組織改革……課題は山積
解決へと導く眠れる人材とは
1 なぜ今 シニアエグゼクティブなのか
「構造的ミスマッチ」が生み出す機会とは
2 シニアエグゼクティブはどう活躍するのか
課題と能力のマッチングがカギ
3 企業が理解すべきシニアエグゼクティブの視点・価値観・キャリア潮流
第2章
シニアエグゼクティブによって成し遂げられた具体的な事例紹介
[ 企業事例 ]
CASE 1 UHA味覚糖株式会社
CASE 2 アース製薬株式会社
CASE 3 株式会社ウェザーニューズ
CASE 4 株式会社OICグループ
CASE 5 高橋金属株式会社
CASE 6 オープン株式会社
[ 移籍者事例 ]
CASE 7 日立製作所→メイラ
CASE 8 大手総合商社→マザーグループ(仮名)
CASE 9 アマゾンジャパン→アース製薬
第3章
シニアエグゼクティブ活用の実践ロードマップ
1 自社の課題を考える
2 自社の課題に最適な「シニアエグゼクティブ」を見つける
3 シニアエグゼクティブの受け入れ体制を整える
4 必要な人材を早く獲得するポイントは人材エージェントをうまく活用すること
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人生100年時代と言われる一方で、役職定年や定年退職という言葉には、どこか「終わり」の響きがあります。私自身も、キャリアの後半戦をどう生きるかを考える機会が増えた中で、この本に出会いました。
本書で紹介されるのは、「シニアエグゼクティブ」と呼ばれる経験豊富な人たちです。著者の平沢真一さんは、彼らを労働力不足を補う存在としてではなく、企業や社会に新しい価値をもたらす「眠れる人材の宝庫」として描いています。
特に印象に残ったのは、ホンダで品質管理を経験した人材がニトリで活躍する事例です。業界は違っても、「品質を見抜く目」や「組織を動かす知恵」は失われません。むしろ、異なる業界だからこそ新しい価値が生まれる。その話には大きな説得力がありました。
読んでいて感じたのは、年齢とともに価値が下がるのではなく、「経験の使い方」が変わるだけなのかもしれないということです。
若い頃は知識や体力で勝負していた人も、年齢を重ねることで、人を育てる力や全体を俯瞰する視点を手に入れる。その価値は、数字では測りにくいけれどポータブルなスキルとして確かに存在します。
一方で、本書は単なるシニア礼賛ではありません。経験を抱えたまま過去の成功体験にしがみつくのではなく、新しい環境で学び続ける姿勢の大切さも伝わってきます。
読み終えて、自分のキャリアを少し前向きに捉えられるようになりました。
定年を「引退」と考える人にも、「第二の挑戦」と考えたい人にもおすすめです。これからの人生で、自分の経験をどこで、誰のために使うのか。過去を未来につなげてくれる一冊でした。
人間万事塞翁が馬、捨てる神あれば拾う神あり、老いてはますます壮んなるべし、です。