あらすじ
大宅賞作家、受賞後初の重厚書き下ろし!
「なめたらいかんぜよ!」
後に流行語にもなった、映画『鬼龍院花子の生涯』を象徴する名台詞に通底する精神が、既に高田の中に煮えたぎっていた。そして、このセリフは、『鬼龍院』だけでなく高田の脚本家人生そのものを表す言葉でもあった。(プロローグより)
『鬼龍院花子の生涯』『極道の妻たち』『仁義なき戦い 完結篇』『野性の証明』『十兵衛暗殺剣』『激突!殺人拳』『北陸代理戦争』『実録外伝 大阪電撃作戦』『復活の日』『日本の首領』・・・数多の名作の脚本を書きまくり、東映五十年を支えた脚本家・高田宏治に迫真インタビュー!
深作欣二、五社英雄、笠原和夫、岡田茂、日下部五朗、中島貞夫・・・・・・脚本術のすべてと盟友たちへの積年の愛憎を語り尽くした五十時間。
「自分から映画を企画したことはないな。ほとんどが、あてがいぶちや」--
脚本家は、思うままに自身の創作をする「作家」というよりは、注文に応じて組み立てる「職人」なのである。高田はその「職人」の最たるところであった。(本文より)
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Posted by ブクログ
この本を読む前まで脚本家・高田宏治氏を知らなかった。日本映画は好きでよく観るし映画に携わった方々の評伝、ノンフィクションなんかもよく読む。ただ多くは監督や俳優であり脚本家をフューチャーした本はあまりない。日本映画評論家である春日太一氏は映画産業の裏方たちにスポットを当てた著作を数多く書かれているが、「鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折」続いて今回取り上げたのがこの高田宏治氏だ。
東映映画の黄金期から斜陽期まで携わった作品は数知れず。東映映画なのでヤクザものや時代劇など血生臭いドロドロした話が多いが、自身は東大文学部出身のインテリ。同級生には大江健三郎やジブリの高畑勲がいる。さぞプライドが高く作家性を押し出す人かと思いきや、業界の様々なリクエストに応えて作品を作り上げていく職人。携わった映画や監督、プロデューサーなどの裏話が盛りだくさん。
しかし本当に話をすることがお好きなようで、自身の溢れる言葉がページを埋め尽くしている。齢92歳で氏の記憶力の凄さに驚き、何より語られる話が本当に面白い。おすすめです。