あらすじ
江戸期以来の俳句に革新の旋風を巻き起こした正岡子規(一八六七│一九〇二).生涯に詠んだ二万三千余句の中から,魅力を存分に伝える一五八三句を精選する.「女性」「新事物」「人物」「生活」「写生」の新視点の選により,従来,四季別,季題別では見えなかった子規の句の面白さ,句を詠む瞬間の子規の感動が浮かび上がる.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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Posted by ブクログ
高浜虚子が子規の句を、四季、季題に着目して構成して一書にまとめているのに対して、本書では「女性」「新事物」「人物」「生活」「写生」の五つの視点によって分類してみた、とあります。
子規の句をまとまって読むのは初めてで思い違いもあるとは思いますが、俳句論で写実を唱えた子規の句において、「写生」に分類された句はしまりがあり、月並み(子規が句を評するときに使った言葉と聞きます)でない印象を受けました。
菜の花やはつとあかるき町はつれ
ぬれて戻る犬の背(せな)にもこぼれ萩
涅槃会や蚯蚓(みみず)ちぎれし鍬の先
蛍から蛍へ風のうつりけり
鯉はねたにごり沈むや秋の水
門許り残る冬野の伽藍かな
天地(あめつち)を我が産み顔の海鼠かな
橋踏めば魚沈みけり春の水
鳴きながら蟻にひかるる秋の蝉
寒月や猫の眼光る庭の隅
稲妻や飛魚飛んで海暗き