【感想・ネタバレ】物理学者の自由研究のレビュー

あらすじ

カーリングの石が曲がるのはなぜか.滑り台は大人の方が速く滑る? 鏡の世界が左右反対に見える理由.こんな身近な謎から,時間の流れ,そして私たち自身の存在まで,巨大な装置がなくても個人で挑戦できる謎解きがある.「不思議だな」という気づきを出発点に,思い込みから自由になり,のびのびと知的ゲームを楽しもう.

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Posted by ブクログ

物理学者の自由研究 村田次郎 岩波
日常でふと気になったことをとりあえずの実験で納得しようと言うスタンスの話で
例えば氷上の滑りや滑り台における重量の問題とか鏡の反転とか
時間の向きとか私とは存在なのか現象なのかなど
生活感のある内容が面白い
しかしどれを取っても奥が深く
何事も突き詰めれば科学では解きようのない領域に突き当たってしまうものだ

最後のくだりにはこうある
素朴な原子論で言うなら私たちは存在に見えるが場の見方ならば現象である
時間の流れもエントロピー増大による流れの発生は主観の作り出す幻想だという
しかし場の視点にたてば孤立した粒子の集団という見方自体が見直しを迫られる
粗視化は情報削減の必要悪でなく本質の復権となる
この宇宙には時間が脈々と流れると考えてもいいのかも知れないという
粒子であり場である二項対立の図式の多くは複数の視点を獲得することで自然に解消できそうに思える
異なる主観同士の対立が「鏡」の章で実物と鏡像をまとめて三次元的眺めたように
俯瞰して客観的に眺めれば解決するだろう
粒子がダメなら場の考えで見ればいいし私たちは誇り高き存在と思ってもいいし
この世界は宇宙が奏でる音楽であって私たちはその旋律の一つ一つだと思ってもいいだろう
ドラえもんの「台風のフー子」で例えるならば台風の実態は空気でありフー子は現象である
ここで考えてきた一連の「バイアス」とは一方的な選択でもある
これしか無いとすると執着をうみ混乱や悩みを生む原因となる
しかしリスクや限界を認めつつバイアスを選べば摩擦力のように知恵となる
バイアスとして自分と宇宙の時間の流れを音楽のように楽しみ
根を同じくする無数の竹の一本のように
一人の独立した人間である歓びを称えつつ宇宙の一部であり続けたいと著者は言う

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2026年07月11日

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