あらすじ
サイコパスより、遥かに危うい。日本初、「ダークエンパス」の深淵を描く衝撃作。
世の中には、他人の痛みを感じ取れない「サイコパス」よりも、さらに狡猾で、さらに残酷な存在がいることをご存知でしょうか。
相手の感情を手に取るように理解し、その共感能力を「武器」として、標的をマインドコントロールし、徹底的に食い物にする。
それが、2021年に提唱された新たな人格概念、「ダークエンパス(闇の共感者)」です。
本書『微笑み迷子』は、この最先端の心理学概念を日本で初めて真正面から扱い、その戦慄の生態を暴き出した衝撃の物語です 。
主人公・三枝流星は、他人の感情を完璧に理解し、その共感能力を「武器」として標的をマインドコントロールする男です。
彼は自分の世界を持たず、他人の評価を通してのみ自己の存在意義を確認できるという深い虚無を抱えています。
家庭では理想の息子を、職場では野心的な編集者を演じ分け、計算し尽くされた「微笑み」でターゲットの懐に滑り込む流星。
国民的スター・南郷秀樹の自叙伝出版を巡る大博打、そして邪魔な上司を排除するための冷徹な罠など、ハラハラする心理戦が連続します。
しかし、嘘を重ねるたびに陥る自己嫌悪と、出口のない「生き地獄」のような孤独。人を食い物にする「闇の共感」の果てに、彼を待ち受けるのは栄光か、それとも破滅か。
あなたの隣で優しく微笑んでいるその人は、本当に善意で笑っているのでしょうか。
それとも、あなたの心の中を巧みに覗き込み、人生を操る機会を伺っているのでしょうか。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
自分のために誰かを利用しコントロールする事しか考えない、ダークエンパスの性質を持った三枝流星。
悪辣な手段でのし上がる流星に罪悪感は無い。彼がこのまま成り上がって行くかと思った後半、落ちぶれて行く彼が得たものは自分と同じ精神構造を持った娘だった。
あまり知られていないダークエンパスというテーマは、読者には新しい体験として興味深く読んだ。
表面的には愛想が良くても、相手の本心は分からないものという思いを改めて認識させられたようだ。
500ページという長さも気にならない、読み手を引き込む一冊だった。
ただ、流星が鰐淵のような上司の下で出版に拘る流れに少し納得出来なかった。